【SDGsな釣り収納】海洋プラスチックごみが高機能タックルボックスに!?
釣りビジョンの新番組『F JUNCTION(エフ ジャンクション)』では、釣り関連ニュースや釣り具情報、船宿情報など、〝釣り〟に関するあらゆるHOTな情報をお届けしていく。今回は、メーカーの注目製品を紹介するコーナー【GEAR JUNCTION(ギア ジャンクション)】と連動して、老舗メーカー「リングスター」の〝SDGs〟な収納アイテムをご紹介。番組と併せてチェックしていただきたい! 【画像】対馬に流れつく大量のゴミ…回収や処理にかかる事業費は2憶8000万円に上ると言われている!
再生困難と言われていた海洋プラスチックごみがタックルボックスに生まれ変わる!
「リングスター」は明治20年から続く老舗メーカーだ。「ドカット」や「ドリームマスター」などの〝釣りの収納〟シリーズは、釣り人にとってなじみ深いアイテムとなっているが、実は原点となるのは〝工具箱〟。ホームセンターに行けば同社が製造・販売している〝星マーク〟の商品がズラリと並んでいる。高品質かつ堅牢なアイテムを製造し続けてきたノウハウはタックルボックスやタックルケースにも受け継がれているのだ。 今回注目したのは、同社の新たな試み「海のない奈良県生駒市から対馬市の海を救うプロジェクト」。なぜ対馬?と疑問に思った方もいることだろう。日本海に浮かぶ長崎県対馬は、島の形状や潮流などの影響で大量の漂着物が打ち寄せられる「海ごみの防波堤」と呼ばれており、年間で20,000~30,000立方メートルもの漂着物が打ち寄せられている。その処理費用はなんと…2憶8,000万円にも上ると言われているから驚きだ。〝海洋プラスチックごみ〟は世界的に注目されている環境問題でもあるが、とめどなく流れ着き、仮に製品化するにしてもコストがかかる…再生によって耐久力も保証されないという理由から、企業が継続して扱うことが難しいとされてきた。そこで〝プラスチックのプロ〟としてこの課題にチャレンジしたのが「リングスター」である。 海洋プラスチックには、将来的に流出する可能性がある「オーシャンバウンドプラスチック(Ocean Bound Plastic:OBP)」と、すでに海を渡り流れ着いた「オーシャンプラスチック(Ocean Plastic:OP)」の2種類が存在する。前者は比較的リサイクルしやすいのに対して、後者は一度海に流れ出ているため汚損しており、回収からリサイクルまでのプロセスに膨大な時間とコストがかかってしまうそうだ。そのため「オーシャンプラスチック」はこれまで積極的にリサイクルされることがなかったという。 リングスターがこの課題に取り組み始めたのは2023年4月のこと。オーシャンプラスチックの中でも、年間の漂着数が特に多いポリエチレン製の〝青いポリタンク〟を10%配合した「対馬オーシャンプラスチックバスケット」「対馬オーシャンプラスチックボックス」の生産・販売を行い、約444kgのオーシャンプラスチックの削減に成功(※2024年2月現在)している。さらに製品の販売数に応じた寄付も行っており、「対馬オーシャンプラスチックバスケット」を1個販売するごとに100円、「対馬オーシャンプラスチックボックス」を1個販売するごとに200円、2023度は合計44万円を対馬市に対して寄付している。