2年後のワールドカップは北中米3カ国共催で観戦が大変 ビール1杯3000円など費用が半端ない!
宿泊費にしても、コロナ禍後のアメリカは高騰傾向にあり、どの都市もホテル代は高め。次回決勝の開催地はニューヨーク・ニュージャージー(メットライフスタジアム)なのだが、マンハッタンのホテルは何もなくても最低3万円前後が当たり前なのに、これがワールドカップ価格に上がるとしたら、どうなるのだろう? と今から戦々恐々だ。 交通費や宿泊費だけではない。 スタジアム内の売店が充実していることは前述したが、そこでの飲食も安いものではない。コパ・アメリカでの試合会場の売店をのぞいてみたが、概ねビール1杯が16ドル前後。確認したなかで最も高かったのは、サンフランシスコ・ベイエリアのリーバイス・スタジアムで20ドルだった。 1ドル=157円換算で、なんとビール1杯およそ3000円だ。 当たり前の話だが、飛行機代にしろ、ホテル代にしろ、1ドル=100円が150円になれば、値段はすべて5割増し。ワールドカップの観戦を計画するうえで、歴史的円安はあまりに痛い。 とはいえ、1ドル=100円だったとしてもビール1杯2000円なのだから、物価の高さは決して円安だけの問題ではないのだと実感させられるのだが。 こうなると、せめてもの願いは、日本ができるだけ移動の負担が小さく、しかも、ホテル数が多い大都市で試合をするグループに入ってくれることだ。 たとえば、アメリカと同組(グループⅮ)になり、初戦でアメリカと対戦することになれば、グループリーグ3試合の会場は、ロサンゼルス→サンフランシスコ→サンフランシスコ。これならば飛行機を使わずとも、陸路での移動も可能だ。サンフランシスコは、もともとホテル価格が高いことで知られる都市だが、近郊都市にもホテルは多いので、まずまず悪くない条件である。 しかも、グループ1位通過なら次の試合会場もサンフランシスコ。移動だけを考えれば、最高だ。 逆に同じ共催国のひとつでも、メキシコと同組となり、初戦でメキシコと対戦することになった場合、グループリーグ3試合の会場は、メキシコシティ→アトランタ→モンテレイ。グループリーグの段階でメキシコとアメリカを行き来しなければならないことになる。 どのグループに入るか、さらには、そのグループ内でどのポジションに入るかによって、移動の負担(つまりは、金銭的負担)は大きく変わってくることになりそうだ。 もちろん、開催されるのは2年後。為替レートをはじめ、さまざまな環境が変わっている可能性がないわけではない。 しかしだからといって、急激に状況が好転するとも考えにくい。 アジア最終予選が始まってもいないのに少々気の早い話かもしれないが、北中米3カ国共催のワールドカップは、日本人にとってなかなかに観戦のハードルが高い大会となりそうだ。
浅田真樹●文 text by Asada Masaki