【海外試乗】BMWアルピナ新型「B4 GT」はオシャレなだけじゃない! まるでFRのようなメリハリが好印象…時速200キロ走行なら余裕です
巡航最高速度は時速305キロ! だから200キロでも余裕しゃくしゃく
足まわりと電子制御を担当するエンジニア、トビアス・ウィーガーによると、B4 GTの物理的な変更点はフロントのスタビライザーを1段階細くしているという。 「フロントサスをしなやかにして応答性を上げました。これはエンジンパワーやタイヤとの関係でそうした方がベストだと感じたからです。今回のようにサーキットで試乗する場合、B3 GTよりもB4 GTの方が楽しめるはずです」 B4 GTでコースインしてみるとすぐトビアスのコメントがそのまま走りに反映されていることがわかった。コーナーの脱出でスロットルを踏むと電制デフの締結が高まり、B3 GTより2サイズも太い285幅のリアタイヤがグッと踏ん張る様子が分かる。 B4 GTの駆動はアルラット=AWDだが、前後の駆動力の関係性ははっきりとリア寄りになっていることが分かる。529psのパワフルなエンジンとリア偏重の駆動配分というとプッシュアンダーを警戒してしまうが、実際にはフロントがしなやかにロールし路面を捉えてくれる。クルマ全体で曲がっていくイメージのB3 GTに対し、B4 GTは前輪で曲がり、後輪で加速していく感覚。ドライビングにFR車のようなメリハリが自然と宿るのだ。走っている最中に走行モードをトラックDSCに変え、少し攻撃的な走りをしてみたのだが、それでもリアが不意に滑り出すようなことはなかった。200km/h走行なら余裕たっぷり。そうでなければ彼らが標榜する305km/hという最高巡航速度(最高速度ではない!)を達成することなどできないということなのだろう。 素材=ベースモデルの特性を見極めたうえで、自分たちが目指す「真のグランツーリスモ」を作り上げるアルピナ。グランクーペ・ボディを与えられたB4 GTはリムジンの兄弟車よりもはっきりとスポーティな性格付けがされているが、同時にアルピナらしい落ち着きの払い方、スタビリティの高さを兼ね備えた作品だったのである。