中国中部地域は多国籍企業にとって豊かな投資先
【東方新報】「中国の中部地域は、多国籍企業の投資やビジネス拡大に大きなチャンスがありそうだ」──「中国中部博覧会2024年( Expo Central China 2024)」のイベント出席者はこのような感想を述べた。 主催者によると、中国中部・湖南省(Hunan)の省都・長沙市(Changsha)で開催された博覧会には、多国籍企業が200以上参加し、32の国と地域から1000社を超える企業が集まった。 公式データによれば、この博覧会で、合計284件、総額2500億元(約5兆4125億円)を超すプロジェクト契約が調印され、うち8件は外資が関与していた。 農業、エネルギー、設備製造業で知られる中国の中部地域は、近代的な産業システムの構築を加速させている。また、伝統産業の構造転換とアップグレード、新興産業の育成と発展、将来の産業発展計画も整えられている。 「中国意大利商会(中国イタリア商会、China-Italy Chamber of Commerce)」も中国の中部地方にはイタリア企業にとって大きなチャンスがあると見ている。 同商会は「イタリア企業と中国企業の協力とパートナーシップは、相互利益をもたらすだろう。イタリア企業は技術、デザイン、品質において独自の強みを持っており、中国の中部地域は広大な市場と優れた地理的条件を持っているため、協力の可能性は非常に大きい」と述べる。 米国系の世界最大のスーパーマーケットチェーン「ウォルマート(Walmart)」傘下の中国投資会社「Walmart(China)Investment」によると、小売チェーンは湖南省内に16のスーパーマーケット、二つの会員制店舗、物流センターをオープンしたという。 中国中部は同社にとって戦略的市場であり、さらに五つの省との協力関係を促進・強化する計画だ。 湖南省は有利な地理的位置と良好なビジネス環境を持っており、地方政府は同社がこの地域で店舗をオープンし、運営することを大いに促進しているという。 米国フォーチュン(Fortune)の世界企業ランキング「フォーチュン500」のうち、湖南省に投資した企業は昨年までに211社にのぼる。現地政府によると、同省には2900社以上の外資系企業があり、年間事業収入は3760億元(約8兆1404億円)に達している。 チューリッヒ保険(Zurich Insurance Group)は2018年、中国本部が長沙市に設立した。中国本部の責任者は、地元のビジネス環境、インフラ、経済は年々改善されていると話している。長沙市の地元政府は「国際コミュニティ・センター」を設立し、外国人従業員のために海外勤務経験のあるコミュニティ・ワーカーを雇用しているという。 同社は、中国の中部地域には豊富な人的資源、教育資源、交通の利便性があり、経済成長の大きな可能性を秘めていると見ている。 「この博覧会に参加し、投資と協力の機会を増やし、長期的な事業展開に値するこの中部地域に根を張っていきたい」、同社はこのように考えている。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。