沢田研二や瞳みのるらザ・タイガースの幻の写真がXに! あやめ池の事故とグループサウンズの失速
先日、X(旧Twitter)上に1枚の貴重な写真が投稿された。そこに映るのは沢田研二さん、瞳みのるさんらザ・タイガースの演奏風景。ステージには色とりどりのテープが投げ込まれており、1960年代後半に若者を熱狂の渦に巻き込んだグループサウンズブームの盛り上がりがうかがえる。 【写真】すごい色気…やはりジュリーは「別格」 この写真が撮影されたのは今をさかのぼること57年前、1967年11月5日。奈良市にあった近鉄あやめ池遊園地・野外劇場で毎日新聞社が主催した「ザ・タイガースショー」の1シーンだ。まさか直後にブームに影を落とす大事故が発生しようとは誰も思いもしなかっただろう。2ステージ目の開場時、会場入口に殺到したファンが将棋倒しになり20人が重軽傷を負ってしまったのだ。 瞳さんに当時のお話を聞くと「初めは何が起こっているのかわかりませんでした。1ステージ目を終え、これから2ステージ目というところでマネージャーから中止の指示が。急いで車に乗せられたのを覚えています」ということ。当時は現在のように安全に配慮したコンサート設営のノウハウが乏しかった。この事故も会場が収容人数2千人のところを6千人とも8千人とも言われるファンが押し寄せ、入場口で適切に処理できなかったため起こったのだ。 かねて長髪ファッションやエレキ音楽を白眼視していたメディアや教育委員会は、この事件を好機とばかりにザ・タイガースをはじめとするグループサウンズをバッシング。一部テレビ番組から排除したり、学生がコンサートに行くことを禁止したりするなど露骨なネガティブキャンペーンを始めた。 「すでに収録の終わっていた『歌のグランドショー』(NHK)がお蔵入りになり、その後NHK自体からボイコット。世間の目が非常に厳しくなったのを感じました。グループサウンズに若干の不良性があったことは否定しませんが、長髪、エレキのように今思えばとるに足りないことまで逐一ダメだと言われる。僕たちが世代間対立の標的にされてしまった」(瞳さん)