JGTOとPGAって何が違うの? 「Hitachi 3Tours」を見た女性ゴルファーの疑問から見えてきた男子ツアーの“問題点”とは?
JGTOとPGAのすみ分けがゴルフファンに伝わっていない
出場した選手が各チームのベストメンバーではないことはもちろん承知しています。JGTOチームは賞金王の金谷拓実選手とツアー通算20勝の石川遼選手がPGAツアー(米国男子ツアー)の来季出場権をかけたQスクール(予選会)セカンドステージ出場のため不在でした。PGAチームも、賞金ランキング1位の宮本勝昌選手が出場していませんでした。 しかし、それはJLPGAチームも同じです。メルセデス・ランキング2位の山下美夢有選手、3位の岩井明愛選手、5位の岩井千怜選手がLPGAツアー(米国女子ツアー)の来季出場権をかけたQシリーズ(予選会)のファイナルクォリファイングステージ出場のため不在でした。それでも6人全員の顔と名前が一致するのが、女子ツアーの選手層の厚さを示しています。 また、妻から受けた次の質問が男子プロゴルフ界の分かりにくさを物語っていると思いました。 「女子ツアーはJLPGAが管轄しているのに、男子ツアーはなんでPGAが管轄していないの? JGTOって何なの?」 JGTOは、PGAのトーナメント部門が分離独立して1999年に発足しました。しかしながら、今となってはそれが正しい選択だったのかどうか分かりません。当時は30試合以上あった男子ツアーは2024年には23試合まで減り、女子ツアーの37試合に大きく水をあけられています。 JGTOとPGAを再統合しようとする動きも過去にはありましたが、実現しませんでした。結局、JGTOがレギュラーツアーを管轄し、PGAがシニアツアーを管轄するスタイルが20年以上続いています。 女子ツアーも近年、レジェンズツアー(45歳以上の女子プロゴルファーを対象にしたツアー)の試合数を増やしていますが、こちらはレギュラーツアーもシニアツアーもJLPGAの管轄です。そうなると、男子プロゴルフ界の仕組みがますます分かりにくい印象です。 もしかすると、男子プロゴルフの人気を回復するためには、もっとシンプルで分かりやすい仕組みに“再編”するのが近道なのかもしれません。
保井友秀