映画「はたらく細胞」山本耕史さん・仲里依紗さんインタビュー「世界に通じる発明的な作品!」
いい意味で考えすぎず、テンポを大切に
――山本さんが演じるのは、細菌やウイルス感染細胞などの異物を見つけ破壊する、強力な殺傷能力を持つ免疫細胞の主力部隊「キラーT細胞」。仲さんが演じたのは、細菌やウイルス感染細胞などの異物を見つけ次第、単独で攻撃の先陣を切る「NK細胞」です。演じるうえで心がけたことはありますか。 山本:自分の役が割と勢いのある、体格のいいキャラクターだったので「なるほどな」と思いました(笑)。とにかく体を鍛えて体形をキープしなければいけない役でしたので、あまり難しいことはなかったといいますか。「これをやりながらあっちに気が向いている」といった繊細な芝居をよく求められるんだけど、今回はいい意味であまり考えずに、ひとつの細胞としての役柄を突き通せばいいと思っていました。 仲:武内(英樹)監督から言われたのが「テンポさえ上げてもらえればいいので、セリフを1.5倍速くらいで考えてもらえれば大丈夫です」ということでした。その「1.5倍速で」がすごく分かりやすくて、台本を読むと1.5倍速の方が絶対に見やすいし、細胞らしいので「そういうテンポがいいんだな。そのおかげで見やすくなるんだな」と心がけていました。 ――個性豊かでキャラ強めな細胞たちが出ていますが、ご自身が演じた細胞以外で、印象に残っている細胞は? 山本:「マクロファージ」(松本若菜)はすごくかっこいい役どころだったな。あとは加藤(諒)くんと板垣(李光人)くんの先輩新米赤血球コンビも、同じ細胞なのにこんなにやることが違うんだなとおもしろかったです。 仲:私、もし次があれば片岡(愛之助)さんが演じた「肺炎球菌」のキャラクターをやりたいですね。だってこの衣装、すごいじゃないですか。まずこの衣装を着たい!って思うし、どこか「悪」に憧れているところがあるんですよ。こういう作品でいろいろなことをやってみたいなと思います。
それぞれの子どもの反応は?
――完成した映画をお子さんが見たら、どんな反応をすると思いますか? 仲: ファンタジー要素もありながら、笑えるところもあるのがこの作品のおもしろいところだし、子どもって肛門とかうんちというワードが大好きじゃないですか(笑)。なので、きっと「自分の体は今、こうなっている!」とはしゃぎそうです。私が演じたNK細胞は一匹狼なので、そういうところも好きそうですね。かっこいいキャラを演じられたので、早く一緒に見に行きたいです。 山本:最近も、僕がちょっと風邪をひくと「今、パパ(キラーT細胞)が体の中で戦っているんでしょ? じゃあ、パパが2人いるじゃん」といった話をしているので、なんとなく僕がやっている役は体の中で戦っている、ということを理解しているみたいです。 僕は子どもにこの作品から何かを学んでほしいというより、ひとつのきっかけとして、頭の片隅に「白血球と赤血球ってこういう働きをしているんだな」くらいに思っていてくれたらいいと思います。誰も教えなくても知識が入るのはいいことだし、誰かが教えたわけでもないことって絶対に忘れないですから。そういう意味でも非常に画期的で発明的な作品だなと思います。