3年前の火災乗り越え…“湯田中のシンボル”温泉旅館が再出発 ファンの支えで焼失の宿を再建 3月営業へ
特集は旅館の再出発です。長野県山ノ内町・湯田中温泉の宿が3年前の火災で失った建物を再建しました。貴重な文化財で地域のシンボルでもあったことから多くのファンが支援。宿は感謝を胸に、3月、営業を始めます。
よろづや・小野誠社長: 「旅館というのは建物がまず商品ですからね。それから料理ともてなしと、三拍子そろわないといい宿になりませんので」 案内してくれたのは新しい「松籟荘」の建設に奔走した「よろづや」の小野社長。 いよいよ3月1日営業開始です。
よろづや・小野誠社長: 「決して後ろ向きに考えずに、新たなチャンスを与えられたんだなと思って3年間取り組んできたので、あとちょっとでオープンできることに感慨深いものがあります」
(ヘリリポート) 「建物が炎に包まれています」 2021年2月11日。よろづやの「離れ」として1939(昭和14)年に建てられた松籟荘で火災が発生。建物は短時間で炎に包まれました。 国の登録有形文化財で「湯田中のシンボル」だった建物は全焼し、地域にも衝撃が広がりました。
よろづや・小野誠社長(2021年4月): 「残念ながら火を消し止めることができなくて…全員無事で避難できたので、それで安どして、それだけ守れれば建物はしょうがないと」 女将・小野恵子さん(2021年4月): 「お越しいただきありがとうございます。きょうから再オープンになりますので」 電気系統などに影響が出た本館は火災の2カ月後に営業を再開。 コロナ禍でしたが10組以上が訪れました。再開初日の客はー。 客: 「皆さん、すごくご丁寧で優しくてほっこりというか和む」 「今の大変な時期で不幸が重なって、お気持ちを察する部分がある。これから頑張っていただきたい」
ファンからは松籟荘の復活を願う手紙も。社長の背中を押しました。 よろづや・小野誠社長(2022年): 「祖父が力をいれて造って、父親もリニューアルをして、私の代になってからも何度も手をかけて育ててきたので、それを失ってしまったというのはご先祖さまに申し訳ない」 本館向かいの別館を取り壊して新しい松籟荘を建てることを決めたのです。 資金の一部をクラウドファンディングで募ったところ、330人から目標の1000万円の倍以上、2400万円が寄せられました。 励ましのメッセージもー。 (メッセージ) 「松籟荘再建を心より応援しています!!」 「湯田中の宝が復活するのを楽しみにしております」 よろづや・小野誠社長: 「みんなに支えられてるんだという思いがあると、やっぱり頑張れます。一人じゃない、孤独じゃないと。クラウドファンディングも含めて、励ましてくれた皆さんには本当に感謝している」