伊藤淳史が萩本欽一を熱演! 妻・澄子さんとのちょっと不思議な愛の形を届ける
――波瑠さんとの共演はいかがでしたか。 「波瑠さんは、本当にスミちゃんですね。台本に書かれたスミちゃん以上に、この人が本当のスミちゃんだったんじゃないかと現場でも思わせてくれるような方です。欽ちゃんは『行ってらっしゃい』って、いつもスミちゃんに送り出してもらうのですが、お芝居をしていて欽ちゃん自身もそうですし、僕自身も背中を押されて応援されているような気持ちになりました。待ち時間も楽しくお話をさせていただいて、だんだんいい関係といいますか、現場でも温かい空気感がつくれているので、波瑠さんには感謝しています」 ――3人の子どもたちとの撮影は、いかがでしたか。 「いい感じで子どもたちが子どもたちのままなんですよね。子役っぽさがなくて無邪気といいますか。元気いっぱいなので『これから本番いくよ!』という時に大変だったこともあったのですが、「ここで頑張ったらご褒美だ!」とか言いながら撮影が進んでいって、いい感じの家族感が5人で表現できたかなと思います」
――実在する人物を演じる面白さや難しさはありますか。 「面白さを感じる余裕がまだないです。きっと、面白さを感じる前にクランクアップするんじゃいかなという気がしています(笑)。正直すごくプレッシャーはあります。皆さんが知っている萩本欽一さんですし、皆さんの中にあるイメージは、変わらない欽ちゃんだと思うので。そこを崩してしまったらいけないと思いながら、日々演じています。今まで経験したことのないような、重圧というか責任みたいなものは勝手に背負っています。でも、現場の皆さんが助けてくださるので、いい意味で役柄をあまり意識し過ぎず、後悔をしないように思いっきり演じようと思います。共演者の皆さんがすてきな方たちばかりなので、1シーン1シーン、台本に描かれているようなすてきなシーンを作れるように、集中力をもって演じています。先日、お笑いのシーンを撮影したのですが、実際に『客にウケている』シーンは萩本さんのアーカイブ映像なんですよね。僕が演じるのは、頑張るけどお客さんが笑ってくれないとか、欽ちゃんがスターになる以前のシーンなんです。劇場で撮影した時には、観客役でエキストラの方が100人以上来てくださったんです。ものすごい熱い拍手と笑いをくださったので、それだけで『いい気持ち』になりました(笑)。ありがたかったです」 ――萩本欽一さんのイメージはいかがですか。 「僕は、仮装大賞を見ていた世代なので、ちょっと年を取られてからの欽ちゃんなんですよ。今回コント55号とか、昔の資料とかを拝見させていただくと、とても活発というか。すごくアクティブで、切れっ切れでした。お芝居では長い世代を演じるので、そういう面も大切に演じたいです。撮影では、萩本さんと同じ事務所に所属する若手俳優の方も出てくださっているのですが、その中のお一人が、いつも欽ちゃんのYouTubeやステージに出られている方で。その方に、細かいしぐさを教えていただきました。お辞儀をするときの手の形や、語尾は伸ばさず、切れよくすぱっと言え! とか。そういうところをヒントにしながら、ところどころに出していきたいです。あと、欽ちゃんは、照れているしぐさもよくされているので、そういう場面も表現したいなと思っています」