■スケールはピカイチの日本経済大・林 　2人目は日本経済大の林冠臣。台湾から留学し、日南学園に入学した時は投手だったが、2年秋に右肘の手術を受けて野手に転向した。日本経済大では1年春から外野で試合に出場し、4年春の福岡六大学リーグ戦で打率.429、4本塁打、11打点と活躍した。 　在京球団のスカウトは、「スケールの大きさは今年のドラフト候補の中でピカイチです。体重が100キロを超える巨体ですがパワーだけでなく、足が速く身体能力がずば抜けている。大学3年までは打撃のスイングに癖があり、パワーがバットに伝わらない打ち方でしたが、4年になってガラッと変えて見違えるように良くなった。まだまだ粗削りなので即戦力ではなく、2、3年後を見据えて育成する必要がありますが、楽しみな選手ですね」と評価する。 　3人目は富士大の佐々木大輔。富士大は左腕エースの佐藤柳之介、走攻守3拍子揃った麦谷祐介を筆頭に7人のドラフト候補がいて佐々木の注目度は低いが、フルスイングが魅力な左打者だ。3年時の春・秋のリーグ戦では首位打者や、本塁打、打点王を獲得。右足を大きく引いたオープンスタンスで腰を深く沈めた独特の打撃フォームから繰り出される力強いスイングで、ライナー性の打球を放つ。 「とにかくパワフル。打撃は確実性が課題ですがパンチ力だけで言えば、同じ遊撃の宗山より上です。スローイングは安定していますが、守備範囲が広いとは言えないのでプロに入ったら二塁、三塁が適正のポジションになると思います。イメージで近いのは茂木栄五郎（楽天）ですかね」（前出のフリーライター） 　佐々木は岩手県陸前高田市出身。東日本大震災が起きた11年の時は小学生で、野球場が津波で使えなくなったが、周囲に支えられて野球を続けられた。富士大は山川穂高（ソフトバンク）、外崎修汰（西武）、鈴木翔天（楽天）、金村尚真（日本ハム）らプロで活躍している選手を続々輩出しているが、岩手県出身で同大からドラフト指名された選手はいない。佐々木は新しい歴史を作れるか。