【朗報】新NISAのスゴイしくみ…「生涯投資枠の上限1800万円」だが「一部 or 全部売却」で再度非課税での投資可能に!〈FPが解説〉
2024年、従来のNISA制度から、さらに使い勝手をよくした「新NISA」がスタートします。ここでは、「売却した投資枠が再利用できる」という新制度のメリットについて、お金のプロが平易に解説します。※本記事は、酒井富士子氏の著書『60分でわかる! 新NISA 超入門』(技術評論社)より一部を抜粋・再編集したものです。 年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
生涯投資枠は「1800万円」、引出額分は翌年に復活する!
◆売却した投資枠が再利用できるため、使い勝手がアップ 新NISAでは、年間の非課税投資枠とは別に1800万円の「生涯投資枠」が設定されました。簡単にいうと、「1人が一生涯に新NISAを使って投資をできるのは最大1800万円」という意味です。なお、生涯投資枠1800万円のうち成長投資枠で使えるのは1200万円までというルールがあります。つみたて投資枠にはこの制限がなく、1800万円すべてを使い切ることが可能です。 仮に、つみたて投資枠で年120万円、成長投資枠で年240万円と上限まで使うと、5年間で1800万円に到達します。すると、6年目以降はNISAを使って購入はできなくなります。しかし、新NISAでは、保有する商品を売却した分の非課税枠が翌年に復活するという仕組みが導入されました。 そのため、生涯投資枠の上限である1800万円に到達しても、保有資産の一部、あるいは全部を売却して引き出せば、再度非課税で投資できるようになります。 現行NISAの場合、保有している商品を売却しても、その分の非課税枠は復活しません。商品を購入するためにはその分の非課税枠を新たに消費する必要があるなど、気軽に売却することが難しいことがネックでした。これが解消されることは朗報です。 また、生涯投資枠は、商品を売却するときの金額(時価)ではなく、購入したときの金額(簿価)で管理されます。仮に1800万円の枠を使い切り、運用で2500万円まで増えたところで2500万円分すべて売却したとします。すると、翌年復活するのは購入額の1800万円であり、2500万円ではないということを理解しておきましょう。 ★売却すると非課税枠が復活する 現行NISA制度では保有している商品を売却しても、その商品を買った分の非課税枠が復活せず、売却が気軽にできませんでしたが、新NISAでは商品を売却すれば、売却した分の非課税枠が復活することになります。 ★積み立てた運用金から一部引き出し、また積み立てて引き出すを繰り返せる 生涯投資枠の上限である1800万円に到達しても、保有資産の一部、あるいは全部を売却して引き出せば、再度非課税で投資できるようになります。 【まとめ】 □ 保有商品を売却すると、その分の投資枠が翌年に復活 □ 1800万円を超えても売却すれば非課税で投資できる □ 復活する投資枠は購入したときの額(簿価)