子どもの気になる癖【鼻水をすする】やめさせたいけど…体にどんな影響がある?親はどう対応する?
「鼻水をすする」行為に不快感を示す人は多い
風邪や花粉症などのアレルギーで、無意識にながれてくる鼻水。ティッシュを持ってない場合、ついついすすってしまったり、癖になっている人も多いのではないでしょうか。実は、海外では不快を与えるNGマナーとされており、国内でもまた、人の鼻水をすする音は不快だ、と考える人も多いようです。子どものうちから「すする癖」はできるだけ直してあげたいですね。子どもの心を傷つけないように、どのような声がけをすれば良いのでしょうか。看護師と公認心理師の資格を持つ心理カウンセラーの伊藤優子さんにお話を伺いました。 【画像】「はい論破!」「あなたの感想ですよね?」子どもに流行ったあの口癖…1500人の保護者はどう対応した?
鼻水はどこからくるの?
まず始めに鼻の役割からお話しします。鼻から吸い込まれた空気は鼻腔内を通り肺へと送られていきます。空気は体内よりも低温であるため、鼻腔内では温度と湿度を適度に与えたり、細かいほこりなどの異物を除去してくれています。そのことから鼻腔内は適度な 湿度を保つために鼻粘膜から粘液が分泌されています。 体が弱っていたりと免疫が低下している時に、鼻粘膜に細菌やウイルスが付着したり、また個々のアレルギー物質が鼻粘膜に付着すると、体を守るためにそれらの異物を排出しようと働いてくれます。それがくしゃみ、鼻水、鼻詰まりという症状になって表れてきます。 そのことは防御反応ともいわれており、鼻水は付着しているものを体の外へ排出しているものであるといえます。 それ以外の理由としては交感神経や副交感神経のバランスが何らかの原因にて崩れてしまうことにより、鼻水が沢山分泌されてしまうこともあります。
鼻水をすするとどんな影響がある?
鼻の粘膜からは常に粘液は分泌されていることから、喉から食道や胃に自然に入っていっている部分もあります。風邪をひいている状態の時の鼻水や、ひいていないときの鼻水でも、それぞれの状態で鼻水をなめる行為をしたとしても、とくに大きなリスクはないといわれています。 しかし鼻は左右の耳管と繋がっているため、鼻を強くすすってしまうと耳管を介して中耳腔が陰圧となり、耳に影響がでてしまいます。代表的な疾患は中耳炎です。滲出性中耳炎、癒着性中耳炎、真珠腫性中耳炎等鼻をすすると絶対に中耳炎になるというわけではありませんが、起こる可能性は否定できないため、鼻をすする癖がある人は注意して症状の有無や程度をみていく必要があると思います。