若者にも増える“スマホ老眼” 「手元で見ていることが問題」 チェックリスト&目にまつわる“都市伝説”のウソ・ホント
■「緑を見る」は目に良いってホント?“都市伝説”を聞く
スマホ老眼に加えて、目にまつわる“都市伝説”の真偽も聞いた。 ・緑を見るのが目に良いって本当? ポイントは「緑」ではなく「距離」にあり、遠くを見ると近視が進行しづらく、遠くに緑があることが多いだけだという。「鉄塔などでもいいが、遠くのものを見ることで近視が進行しづらくなる。アメリカの学会では、モニター使用時に『20分に1回20秒間、6m以上先を見ろ』と言うが、現実的ではない。一般的には、1時間に1回程度でいいのではないか」。 ・光っているモニターを見るとダメ? 光は視力とはあまり関係がないという。スマホやPCなど電子機器で重要なのは、使用頻度ではなく対象物との距離。電子機器でも、より大きいデバイスを使うことを勧める。とはいえ、デジタルデバイスが発する強い光はまばたきの回数を減らし、目を疲れやすくする側面も持つそうだ。また勉強なども近視の要因となり、「親はよく『ゲームはダメ』と言うが、勉強や本を読むことも近視を進める」とする。 ・カラーコンタクトはダメ? カラコンなどは酸素透過率が低く、装着している間、黒目が酸欠状態になってしまうと指摘。続けて使用していると、黒目が小さくなってしまう可能性もあり、「リスクを下げるために必要な時だけ使う」との回答を示す。「消費者センターで調べると、色素が溶け出すような怪しいカラコンもある。きちんとした性能のカラコンでも、透明なコンタクトと比べると性能は劣る。外す時間を長くするなどの注意が大切だ」。
・ブルーライトカットってどうなの? これには「正直、あまり効果がない」と指摘。市販のブルーライトカットメガネはカット率が20~60%程度で、良くも悪くもなく、あえて使う意味はないという。子どもの使用については、臨床眼科学会など7学会が「基本的に推奨しない」と声明を出しているということだ。一方、UVカットに関しては、「ある程度効果があるというデータが出ている。UVをカットしないと、白内障や目が傷つくリスクが高まるデータがある」とした。 ・3カ月以上前の目薬は使っちゃダメ? 目薬の容器は外から不純物を取り込みやすい構造で、「古い目薬は感染症の元」になり得ると指摘。薬液が残っていても惜しまず3カ月で買い替え、手軽に捨てられるように値段の安いもので十分だと勧める。また、目薬を差したら「まばたき」せず、しばらく目を閉じるのが良いということだ。点眼後にそっと目を閉じ、目薬が眼球に行き渡るように目頭を軽く抑えることを推奨した。 ・コンタクトよりレーシックやICLが良い? レーシックやICL(眼内コンタクトレンズ)をしたからといって、「視力の低下が進行しない」わけではないという。視力が良くなったため眼科に行かなくなること、見えることに安心して放置してしまい、緑内障や他の病気を併発する可能性もあると懸念を示す。「メガネがいらなくなると思いきや、ある程度の年齢になると老眼になることは忘れてはいけない。また、手術自体のリスクもある」。