SNSでの出会いは平安時代の恋の順序と類似!?ポイントは『顔を知らずに恋をする』こと。
〝美しさ〟の基準は、時代やそれぞれの好みによって異なるもの。では、平安時代はどのようなスタイルをしていると〝おしゃれ〟と評価を受けたの?令和5年の流行と比較してみました。【歴史人Kids】 歴史人Kidsをご覧のみなさん、こんにちは。tomekkoです。 『平安貴族のおしゃれさん』第3回は“内面“編です。 メイクもファッションも生活様式も全然ちがうように見える平安貴族と現代人ですが、色々知っていくと案外近い“昔“よりも日本人の価値観や感覚の原点に近いところも見つかることに驚きます。 見た目はその時代の決まりや流行で色々に変わりますが、果たして心の中はどうでしょうか? 今回は、出会いやコミュニケーション、特に恋に関する特徴を比べてみました。 まずは現代。令和の若者たちは… 筆者が青春を過ごした平成時代は正直楽しみといえば身近な人との恋愛だけでした。まだインターネットも盛んではない時代。自分の趣味があまりメジャーなものでなければクラスや部活、近所の範囲で同じ「好き」を共有できる人に出会う術も多くはなかったのです。 ところがそれからウン十年…瞬く間に世の中を席巻したスマホとインターネットの普及により、人々の時間の使い方も好きなものを通した人とのつながり方も大きく変わりました。 恋も趣味も、人との出会いはSNSを通すのが当たり前ですよね。 マイナーな趣味でもSNSで同志を見つけやすくなり、世界中の人と気軽に接点を持つことができます。 相手の顔も職業も知らないけれど話が合うのでリアルで仲良くなることも。 あれ?これは何かに似ていますね…? そう、恋が人生の山場とも言える、平安貴族たちです。 こちらは恋愛成就が家の発展や経済事情に直結してくるので必死ですよ! 驚くべきは平安貴族の皆さん、恋の順序はなんと令和に通ずるものがあるのです。 共通点は『顔も知らずに恋をする』ところ。 ちょっとちがうのは、平安貴族男性たちは“噂“をたよりに女性と出会うところ。 現代ではSNSで仲良くなった人とはDMなどで徐々に親密になっていくのでは? その雰囲気で彼らも夜な夜な相手の家を訪れ、御簾の向こうにいる女性に熱烈なアピールをし、相手にも好意がありそうだったら御簾の中へ… 相手の顔をはっきり見るのは、なんと夫婦になった翌朝なのです!! 顔も知らない相手と結婚してうまくいくのでしょうか?なんて余計なお世話ですが、現代人だって同じ“推し“に沸いたり同じ趣味を語ったり知識を教えあったりしていく中で 「この人の性格良さそうだな」 「趣味の話以外も聞いてみたいな」 と興味が湧いていくものでしょう。 平安貴族たちは和香のやりとりを通して、純粋に相手の想いを読み取るだけでなく ・古典や名歌の知識(教養のレベル) ・相手からの歌に使われた言葉を引用して返すなど技巧面 ・ダブルミーニング(掛け言葉) ・返信の速さで相手の自分への好意や頭の回転の良さ ・文字のうまさ ・使われた紙の色や焚き染められた香から趣味の高さ などなど、たった31文字の文(ふみ)から膨大な情報量を受け取り、精査してイメージを膨らませていたんですね。 ま、見えない相手を想像してワクワクするのはロマンチックに感じますが、令和に生きる現代人の皆さんはどこの誰かわからないネットの向こうの人と気軽に会ってはいけませんよ~!
tomekko