「不正行為は詐欺」英競泳選手が中国勢のメダルラッシュに異論 消えぬ“薬物疑惑”「スポーツ界から去るべき」【パリ五輪】
中国勢が輝きを放ったパリ五輪の競泳に、“カリスマ”が異を唱えた。 現地時間8月5日、パリ五輪の英競泳代表のアダム・ピーティは、英紙『Independent』などの取材で「システムを信頼しなければならないと思う。だけど、僕はそうできない。もっと厳しくなるべきだと思う」と回答。大会前にドーピング疑惑が浮上した中国勢のメダル獲得に苦言を呈した。 【画像】エアコンなしで物議? パリ五輪選手村の全容をチェック 男子50、100メートル平泳ぎの世界記録保持者でもある29歳が、怒りを露わにする理由は明確。競泳界では中国勢に対する“ドーピング使用疑惑”が渦巻いているのだ。 今年4月に複数の米メディアが、東京五輪の約半年前に23人の中国競泳選手から禁止薬物「トリメタジジン」が検出されたにも関わらず、彼らが水泳競技に出場していた事実をすっぱ抜いたのである。 だが、報道が波紋を呼ぶと、世界ドーピング機関(WADA)が「陽性反応は検体の汚染が原因」とする中国反ドーピング機関(CHINADA)の主張を認定。このパリ五輪に向けては今年1月から現在までに、一人当たり平均21回という「前例にないドーピング検査を行った」とされたが、大きな処分は科されず。当該の23選手は参戦を認められた。 その背景もあり、パリ五輪で2つの金を含む12個のメダルを手にした“成功”に不信感は募った。「最近目にしたお気に入りの名言のひとつがある。『フェアに勝たなければ意味がない』というものだ」と訴えたピーティは、競泳界を揺るがす疑惑に赤裸々な意見を続けた。 「その国や国民をひとくくりにするのは嫌いだ。それはとても不公平だと思う。でも、彼らは心の中で真実を分かっているはずだ。たとえ“それ”に手を出して、不正行為をしていようと、勝者にはなれないとね。だから僕は、もし彼らがあれを使っていて、汚染されたのであれば、名誉ある人間として、スポーツ界から去るべきだと思う」 さらに「不正行為は詐欺でもある」と断じたピーティ。今大会に男子100メートル平泳ぎで銀メダルを獲得したカリスマの指摘は、尾を引きそうな気配だ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]
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