相変わらず投票率が低かった第50回衆議院選挙…米大統領選に学ぶ、テレビ討論会で使われている「選挙が盛り上がる」ための一枚のカードとは?
アメリカでのテレビ討論会の楽しみ方
さて、このようなテレビ討論会の楽しみ方としてアメリカで広く行われている方法として「プレジデンシャル・ディベート・ビンゴ」というものがあります。 「プレジデンシャル・ディベート・ビンゴ」は、いわゆるビンゴゲームなのですが、そのビンゴカードには、討論会でよく使われる「銃規制」「薬価」「民主主義」などの単語が書かれています。 そしてゲーム参加者はテレビで放映される討論会を見ながら、候補者がこれらのフレーズを言ったり、特定の行動を取ったりするたびに、そのマスをチェックします。縦、横、斜めのいずれかで一列揃ったらビンゴです。 アメリカでは、このビンゴカードはアメリカの主要な新聞社一つであるUSA Todayのサイトなどでもダウンロードできるようになっています。そして、このビンゴを使ったパーティーが様々なコミュニティで行われています。また、イベントとして有料で開催していることもあります。このように広く広まっている討論会の楽しみ方なのです。
日本でも、もっと党首討論を楽しもう
今回の衆議院選挙で私がやはり問題だと感じたとは、有権者の投票率の低さ、特に若者の投票率の低さでした。 有権者の全体の投票率は約53%と低調で、戦後3番目に低い水準となりました。また、世代別では、60代以上の投票率は72%超え、高い投票率となる一方で20代の投票率が特に低34%と低調でした。こうした傾向は、若年層の政治参加の意識の低さが依然として課題であることを示しています。 また、一部でネットでは白票を投じることが民意を示すことになるとの論調も見られました。しかし、白票は無効票の一部として公表されない場合が多く、例えば東京1区(新宿区)小選挙区での無効票率は約2.81%でした。 全国の数字を見ないと全国の傾向は言えないのですが、少なくとも東京一区においては、過去の選挙と比較しても大きな変動はなく、無効票が増えたというとはなかったようです。 このようにまだまだ日本人の政治参加意識の高まりは見られないと言えると思います。このような状況ですが、11月5日のアメリカ大統領選の後、日本でも11月11日に臨時国会が招集される見込みです。 石破首相が続投して再び組閣するのか? それとも他の党首の誰かが首相になるのかはわかりません。しかし、白熱した党首討論が行われることは間違いないでしょう。その時には、日本版「ディベート・ビンゴ」をやってみてはいかがでしょう。誰もが政治のキーワードを押さえながら党首討論を楽しみながら見る良いきっかけになると思います。 三木 雄信 元日本年金機構 理事 トライズ株式会社 代表取締役社長
三木 雄信