絶品カレーに世界各国の料理~プロ顔負けの味付けを簡単に
肥料にスープの出汁まで~食料廃棄物を有効利用
毎日大量のスパイスやハーブを使うエスビー食品。当然、選別に漏れたスパイスの廃棄物が出る。その量は月に約20トン。その再活用に動いていた。 栃木・鹿沼市の農業用の肥料を作る会社「プロトリーフ」では、廃棄されたスパイスやハーブから堆肥を作っていた。スパイスによる「虫除け効果」もあるのではと期待されている。さらにこの堆肥を、現在ホームセンターで売られているハーブの苗の肥料に活用できないか。エスビーとともに検証を重ね、商品化を目指していくという。 「ハーブも植物なので、植物に大事な土や栄養を作るのに、またハーブの力を使えるのは面白い新しい取り組みかなと思います」(「プロトリーフ」飯山翠さん)
一方、社内では、フードロスを減らすだけでなく商品作りに活かそうとしている。 この日作っていたのは、カレーなどを作る過程で出た鶏の不要部分を煮込んだスープ。 「鶏のうまみ、濃さが凝縮されている」「鶏肉を食べているみたい」「有名店のラーメンのスープを飲んでいるみたい」という声が上がり、急遽、スープをラーメンと合わせてみることに。試食会に参加していた池村も「うん、おいしい」となかなかの高評価。このスープを使って商品化できないか、アイデアを膨らませていく。 「実に濃厚で、まさにコラーゲンの塊。飲み込みで困っている嚥下の問題を抱えている人たちだとか、あるいは美容に役立つとか。いろいろな使い道がこれから出てくる」(池村) 来年中の商品化を目指して今後も試作を繰り返していくという。 ~村上龍の編集後記~ S&B、エスビーと聞くだけで赤い缶を思い出し、カレーの香りがしてくる。創業者は初めて食べたカレーライスのおいしさに魅了され、情報が何もない中、味と勘だけを頼りにカレー粉の製造に没頭した。周囲から変人扱いされながら数年かけて、1923年日本初のカレー粉の製造に成功した。この探究心が、S&Bの100年を作った。池村さんは、データの中に新しいニーズはないと言う。自分の足を使った市場調査が重要視されている。食べ歩きだ。新商品の試食も、100回を超えることがあるらしい。 <出演者略歴> 池村和也(いけむら・かずや)1962年、三重県生まれ。1986年、上智大学卒業後、エスビー食品入社。2013年、執行役員就任。2022年、代表取締役社長就任。 ※「カンブリア宮殿」より
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