「なぜ夫に怒ってしまうのか?」本当の原因は“怒り”じゃなかった/犬山紙子
「怒り」の裏にあった「甘えたい」気持ち
カウンセリングでは私の生い立ちから今に至るまでをじっくり聞いてもらい、そこから「私がなぜ怒ってしまうのか?」を紐解きます。そこで見えてきたのは、「認めてほしい、甘えたい」から怒ってしまっていたということ。つまり「甘えたいのに甘えられなかった」など、これまで我慢してきた感情を怒りとしてブワッと出してしまっていたんですね。
さらに私は「実は精神的に自立できていないのに、外では自立できているように振る舞うから、余計にいろいろ溜め込んで、なんでも言える夫(自分の一部だと思っているそう)にのみぶちまけてしまう」らしい。当たっている。 イラっとしてしまったり、理不尽に怒りを感じたりしたら、まず「ああ、私は甘えたいから怒ってるんだ、うまくいかないことを人のせいにしたいんだ」と認知することから実践していくことに。しかし、分析だけでなく守秘義務のある人にこれまで凍結していたさまざまな気持ちを聞いてもらえることって、こんなに大切なことだったとは……。
甘えの感情を出すのが下手すぎる
2回目のカウンセリングでは、アンケートからロールシャッハまで、心理テストをみっちりやってもらいました。その結果、実は怒りの数値がそこまで高くないことが判明。自分で怒りっぽいと思っていたのは「甘えの感情の発散が下手すぎる」ということだったのだと思われます。これ、自分じゃ絶対わからなかったわ。 3回目ではIQテストを受けることに。IQの数字自体を見るというより、何が得意で何が苦手かを測るのが目的。まあこれらのテストだけですべてがわかるものだとも思いませんが、指標にはなるかな、という具合です。
カウンセリングを経て、夫にインタビュー
夫・劔樹人も同タイミングでカウンセリングを受けていました。彼は私と正反対で、もともと自罰的な性格であったからです。すべて自分が悪い、自分のせいだと思ってしまう、そうやって生きていくのは私以上につらいものです。そして彼が自分を責めるのを止めるためにも、私が理不尽に怒らないのは大切なことだったんですね。