ロープウエーの延伸進展なく…リージョナル社、指定管理を更新せず 長崎・稲佐山公園など
長崎市幸町の長崎スタジアムシティを運営するリージョナルクリエーション長崎(同市)は3日、同市の稲佐山公園と長崎ロープウェイの指定管理を来年4月以降、更新しないことを明らかにした。稲佐山山頂と麓の淵神社駅(淵町)を結んでいるロープウエーをスタジアムシティまで延伸する計画が進展しないことなどを含め、「総合的に判断した」としている。 リージョナル社は通販大手ジャパネットホールディングス(HD、佐世保市)の子会社。長崎市内の一般財団法人との共同体として2020年4月から5年間の指定管理決定を同市から受け、山頂エリアに憩いの場や新たな飲食店を設けるなど、にぎわいの創出に注力してきた。 スタジアムシティまでの延伸で観光客らの利便性が向上し、さらなる経済波及効果が見込まれることからジャパネット側は同市に延伸を提案し、スタジアムシティの敷地内に新駅舎建設のための土地を確保するなど準備を進めてきた。 同市は数年前から延伸について調査・検討。これまで「技術的には可能」との見解を示す一方、新たに高さ70メートル程度の鉄塔の建設や周辺住民の理解が必要などの諸課題があり、実現には至っていないという。 ジャパネットHDの髙田旭人社長は10月の会見で、指定管理は「延伸を想定して請け負った」とし、25年4月からの指定管理に応募しない可能性を示唆していた。リージョナル社の担当者は「現時点でも延伸は望んでいるが、当社ではどうしようもない部分がある」と述べた。新しい指定管理者は月内に決まる見通し。