<速報>背番号「17」の満塁男の決勝2ランで敦賀気比がセンバツ初優勝
甲子園上空はあいにくの雨。グラウンド整備などで試合開始は1時間遅れた。小雨が降り続ける天候のせいもあってか、甲子園は満員とはならなかったが、初の決勝進出となった両チームのアルプス応援団は熱く燃え上がっていた。 東海大四が先手を取った。プロも注目の敦賀気比のエース、平沼から先頭の冨田が内野安打。続く金村のバントが相手捕手の悪送球を誘い、無死一、三塁とチャンスが広がった。つかさず金村二盗を決めて二、三塁として、続く山本は三振に倒れたが、小川が右犠飛で4番として最低限の仕事をこなして先取点を奪った。 敦賀気比も、その裏、すぐさま同点に追いつく。先頭の篠原が中前打。中井がバントで送り一死二塁。林中は凡退したが平沼は死球。動揺した大沢を攻めてヒットのなかった山本が一二塁間を破る同点タイムリー。一、三塁となって準決勝で2打席連続の満塁本塁打を放った松本に打席が回ったが、山本が盗塁に失敗。勝ち越しまではいかなかった。 両チーム共に先発投手が、立ち直りを見せたが、4回、敦賀気比が、無死満塁のチャンスを作った。先頭の山本がレフト前へふらっとあがった打球で二塁まで好走塁。続く松本のバントが野選を誘い無死一、三塁となった。続く7番の上田は、ピッチャーゴロ。だが、処理した東海大四の大沢は飛び出した走者を刺そうと三塁へ送ったが、走者の戻るのが早く、これも野選となって無死満塁と絶好の勝ち越し機をつかんだ。しかし、嘉門、木下が連続三振。1番バッターの篠原も遊ゴロに倒れて無得点に終わった。 7回も両チーム走者を得点圏に送りながら、あと1本が出ずに1-1と緊迫したまま試合は終盤へ。 8回、先頭のソウが二塁打。続く塩田のバントはピッチャー前へ。平沼は三塁封殺を狙った。タイミングは完全にアウトだったが、篠原のタッチが甘く、スライディング後にボールがこぼれてオールセーフ。無死二、三塁で、東海大四は打者・大沢にカウント、ワンストライクノーボールから2球目にスクイズを仕掛けた。だが、敦賀気比バッテリーは見破った。ウエストして、三本間に挟んでアウト。まだチャンスは残っていたが、大沢はインサイドのストレートで見逃しの三振。立花の一塁を襲う強烈なゴロは、上田の逆シングルでキャッチするファインプレーで阻まれ、無得点に終わった。 その裏、ついに敦賀気比が、均衡を破った。先頭の平沼が四球で主筒井。これをバントで確実に送り一死二塁の場面で、準決勝で2打席連続の満塁本塁打を放って、あの松井秀喜の持っていた1試合7打点の大会記録を塗り替えていた松本が、またしてもレフトへ勝ち越しの2ラン。スライダーを体を開かずにフルスイングした。背番号「17」のラッキーボーイは、チームを初の頂点へと導くヒーローとなった。エース平沼は9回も抑え、敦賀気比は福井、北陸勢として初のセンバツ初優勝を手にした。