大自然のサウナで「ととのう」鳥取 イベント申請サポート、県がツーリズム推進
昨今のブームを生かし、県外から観光客を呼び込もうと、鳥取県がサウナツーリズムを推進している。豊かな自然環境の中での外気浴など、都市部ではできない体験が魅力だ。愛好家らが健康効果を研究する「日本サウナ学会」の加藤容崇代表理事は「県が主体となってサウナ事業に取り組むのは珍しい。これまで以上に裾野が広がるのでは」と期待を寄せる。(共同通信=坂井瑞基) 中国地方最高峰大山を望む琴浦町には2020年、国立公園内に森林を眺めながらの外気浴、山の伏流水を使った水風呂など、大自然との一体感を売りにしたサウナ施設がオープン。県は21年から「ととのうとっとり」をキャッチコピーに、ガイドブックなどで県内のサウナの魅力やイベントを伝えてきた。 昨年11月には、日本サウナ学会の総会が米子市で実施されたのに合わせ県がサウナフェスを開催。県内企業が地元の木材で製作した小型サウナや、近年流行するテント型サウナが設置された。牛骨ラーメンなど、鳥取ならではのサウナ後に食べる「サ飯(サウナ飯)」も来場者を楽しませた。
青森県八戸市から訪れた教員の古川琢磨さん(34)は「サウナの縁で鳥取に来られた。地域活性化の一つとしていい案だと思う」と話した。 移動が可能な小型サウナが注目を集める一方、イベント開催のハードルとなっていたのは、公衆浴場法に基づく設置許可の申請だ。県は24年度から年間の計画を示すことで設置許可を一括申請できるよう緩和。イベント開催を促進しようと、許可申請についてガイドラインにまとめホームページで公開している。 県観光戦略課の榎田好宏課長補佐は「ガイドラインの作成などで手続きが明確になり、イベントが開催しやすくなったのではないか。今年は積極的に県外に出てPRしていきたい」と意気込んでいる。