池袋暴走事故 遺族の松永拓也さん加害者と面会へ「事故防ぐ未来に向けた話を一緒に」
■「被害者」も「加害者」も生まない社会へ
面会が実現したら、飯塚受刑者にまず何を伝えたいか聞くと── 「被害者、加害者という立場は変えられないし、明確に違うものです。だけど、加害者になってしまった、被害者になってしまったというお互いの経験を無駄にしないように、今後の事故を防ぐための糧になるように、一緒の視点をともにもちましょうともう一度伝えると思います」 「彼が罪を償うのは大事です。でも一番大事なことはいかに次の被害者、加害者をうまないかだと思うんです」 高齢ドライバーによる死亡事故はいまも相次いでいる。松永さんは去年の命日、「高齢ドライバー問題を本質的に解決するには一律に免許を返納させるのではなく、返納しても安心して生きていける社会作りが必要」と話していた。 交通事故は誰もが当事者になりうる。明日は自分が、もしくは自分の大事な人が、被害者あるいは加害者にもなるかもしれない。だからこそ、被害者側、加害者側どちらの意見も社会に共有されるべきだと松永さんは話す。 2人の面会が、事故を減らすための大きな一歩になるだけでなく、事故の被害者、加害者となってしまったお互いにとっての救いにもつながる――そう信じる松永さんの思いは届くだろうか。松永さんは5年目の命日を過ぎたあと、面会を申し入れる予定だ。