軽カーのレース「東北660選手権」が開幕直前! 2024年シーズンの見どころを2023年王者にインタビュー
表彰台常連の小松日高は最高峰1クラスへ挑む
続いては2クラスのチャンピオンに輝いた小松日高。大学の自動車部員だった2018年から参戦し表彰台の常連という印象だが、意外にも3クラスを含めシリーズチャンピオンになったのは初めてだ。 殻を破ったターニングポイントは2023年の開幕戦で、ウエット路面でも破綻させずマシンをコントロール。優勝こそ逃したものの自信に繋がったという。このとき優勝した巳ノ瀬健太は自動車部の先輩として、以前から目標でありライバルと考えていたドライバー。実力を認めるからこそ負けたくない相手で、シーズンを通して意識し続けていたそうだ。 そしてエビス東の第2戦では優勝、SUGOの第3では準優勝を飾る。最終戦のエビス西は走った回数がもっとも多いホームコースで、ポール・トゥ・ウィンを遂げファステストラップも獲得した。結果として4戦がすべて優勝もしくは準優勝と、ポイントを着実に積み重ねたのが勝因といえる。 そんな小松は2024年シーズン、最高峰の1クラスへと進む。車両はオートリサーチ米沢が製作するL275型ダイハツ「ミラ」で、1年間レンタルというカタチでステアリングを握る。改造範囲が広いとはいえ排気量は他と同じく660ccで、タイヤも2クラスと変わらないハイグリップラジアルだ。 大きく異なるのはLSDとECUのチューニング、またギヤ比の変更が認められることであり、いずれも小松にとって軽自動車では初体験。しかしながら機械式LSD入りのFFはもう1台の愛車で慣れているし、ECUやギヤ比に関してもすぐに乗り方をアジャストできるだろう。公式レースの経験も豊富なベテラン揃いの1クラスで揉まれれば、ドライビングだけではなくバトルの引き出しも飛躍的に増えるはず。新たなステージで自身のスキルを磨きながら、チャンピオンを目指す小松の挑戦に注目したい。
佐藤 圭
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