「西園寺さんは家事をしない」第9話「2人がおかしくもいとおしい展開に!?」
TBSでは、火曜ドラマ「西園寺さんは家事をしない」が放送中。原作は「ホタルノヒカリ」などを手掛けた人気漫画家・ひうらさとるによる同名コミック(講談社「BE・LOVE」連載)。徹底して家事をしない主人公・西園寺一妃(松本若菜)と年下の訳ありシングルファーザー・楠見俊直(松村北斗)&その娘・ルカ(倉田瑛茉)の風変わりな同居生活を通して「幸せって何? 家族って何?」を考えるハートフルラブコメディーだ。
第8話では、本彼氏に昇格したカズト横井(津田健次郎)と西園寺さんの順調な交際が描かれつつも、ニューヨークからやって来た橘エリサ(太田莉菜)が楠見と西園寺さんの関係に影響を与える風を巻き起こした。ラストで楠見が涙ながらに語った「数式を解いたら先に進める、先に進むしかないんだと分かった」という亡き妻、瑠衣から受け取った言葉が、第9話以降の展開に布石になるのか…!? ますます気になる今後の物語を、岩崎愛奈プロデューサーに予告してもらおう。
涙の楠見がさらけ出した胸中…西園寺さんをどう動かすのか!?
第8話では、号泣しながら自分の気持ちを話す楠見を西園寺さんが抱きしめるというラストを描きましたが、ここはやはりすごく難しい場面でした。というのも、言葉ではなく、西園寺さんが行動でその気持ちを見せ、受け止める場面でしたし、楠見もまだ整理できないままあふれる思いをそのまま話しているので言葉が明確ではない。でも、西園寺さんはそんな楠見を丸ごと全部受け止める。若菜さんも「すごく難しい」とおっしゃって何度か一緒にお話をしました。今までで一番、この場面を撮る意味を考えたかもしれません。 脚本を作っている最初の段階では、子どもみたいに泣きながら一生懸命話す楠見を抱きしめる西園寺さんにあるのは“慈愛”なのかなと考えていたんです。でも、これまでの物語を振り返ってみると、一つの言葉、既存の単語では言い表せないような感情が西園寺さんに出てきたからこその行動なんじゃないだろうかと思うようになりました。そこにはおそらく、愛情も友情も、家族愛も絆も、もちろん慈愛もある。西園寺さんの中にある楠見への感情は、きっともう、一つの言葉でくくりきれない大きなもの。だから、どの感情も内包されているので、見てくださった方がそれをどう受け止めてもどれもがきっと正解なのだと思います。 そういう意味で、第8話はすごく難しいお話でもあったのではないかと思います。言葉にできない表現、既存の単語では表現できないものがたくさんありましたから。でも、見てくださった方の感想を拝見していたら、私たちが描こうと思っていたその「一つの言葉ではくくりきれない大きなもの」をそのまま受け取ってくださった方がたくさんいてくださって、とてもうれしかったですし、ホッとしました。