作業が止まっているというマンションの建設現場＝7月上旬、中国・遼寧省瀋陽市

【北京＝三塚聖平】中国の倪虹（げいこう）住宅都市農村建設相は17日の記者会見で、不況が長期化している不動産市場のテコ入れに向けた追加対策を表明した。資金不足で工事が滞っている住宅プロジェクトに関し、「ホワイトリスト」と呼ばれる支援対象の融資規模を今年末までに4兆元（約84兆円）に拡大させる。不動産市場を安定させ、景気浮揚につなげることを狙う。 ホワイトリストに基づき審査を通過した融資は10月16日時点で2兆2300億元（約47兆円）に上るという。年末に向けて融資規模の拡大を急ぐ。倪氏は会見で、これまでに打ち出した不動産対策により「市場には前向きな変化が表れている」と成果を強調した。 中国共産党・政府は9月下旬以降、金融、財政、不動産など分野で景気下支え策を相次ぎ表明している。16日の中国国営新華社通信によると、習近平国家主席は15、16両日に福建省を視察した際に、今年10～12月期の経済政策に全力を尽くし、「5％前後」とする今年の経済成長率目標を実現するよう指示した。 ただ、17日発表の追加対策は市場関係者の期待は満たさなかったもようだ。中国・上海株式市場の代表的指標である上海総合指数は同日、前日比1・05％安の3169・38で取引を終えた。