サシバ通し交流深める 繁殖地の栃木県市貝町で写真展 宇検村、来年は国際サミットも
絶滅危惧種である中型の猛禽(もうきん)類サシバを収めた写真展がこのほど、繁殖地である栃木県市貝町の道の駅いちかいで開かれた。同町の写真愛好家宇井恒雄さんと鹿児島県宇検村の与名正三さんの合同展。宇検村職員らも視察に訪れ、来年秋に予定している「国際サシバサミット」に向けて両町村で機運を高めた。 サシバは東北地方以南に夏鳥として渡来し、南西諸島から東南アジアにかけての地域で越冬する。奄美大島では秋の訪れを告げる鳥として親しまれている。一方、近年は生息分布の急激な縮小によって個体数を減らし、2006年に環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に指定された。 市貝町は農林課農村整備係にサシバの里推進担当を設置し、繁殖地の保全とともにPRに力を入れている。写真展は宇検村が主催し、市貝町が協力。会場には長年サシバを追い続けてきた宇井さん、与名さんの力作がずらりと並び、写真を通して来場者へ生態や保全の重要性をアピールした。 宇検村役場企画観光課の竹下世利人係長は「サシバは自然環境の指標とも言われる。今後も関係地域で情報共有し、繁殖地と越冬地の両軸で保全活動や次世代への教育活動を進めていきたい」と話し、サシバサミットへの意気込みを語った。サミットは来年10月25、26の両日、村内で開催を予定している。