少々のコツで起きている時間がすべて「運動」に変わる!<筋肉先生>谷本道哉流「1分でできる」快適に動く体のつくり方
日本生活習慣病予防協会の発表によれば、いわゆる肥満に該当する人は男性 の33.0%、女性 22.3%(2020年12月発表)に。健康管理維持を考えれば、肥満対策はもはや日本人全員の課題とも言えそうです。一方、テレビでも人気の谷本道哉先生は70歳まで働けるカラダを維持することを目標に掲げ、各種の運動や体操を提唱してきました。その先生いわく、快適に動ける体はたった1分あればつくれるそうで―― 【イラスト】効果的な「ラジオ体操の前後屈」の仕方とは… * * * * * * * ◆起きている時間をすべて運動時間に! 現代を生きる社会人のうち、多くの方が気にしているであろう「運動不足」。 しかし、そもそもですが私たち人間は「動物」ですから、起きている間は立ったり歩いたりと、基本的には常に「動いて」います。 ということは、毎日の通勤や通学、自転車に乗っての買い物、掃除といった生活活動も含め、起きている時間、活動時間はすべて運動なのだと考えることができますよね。 運動習慣に関係なく、日常の生活活動でよく動く人は、座りっぱなしであまり動かずに過ごしている人よりやせているという研究報告もあります。「ちりも積もれば」といいますが、日常からテキパキ動くことでも、それだけエネルギー消費は増え、やせられるというわけです。 キビキビ動けたほうが気持ちもいい。今日のリモートワークもプライベートも、よりはかどって充実するはずです。 日常の生活活動も工夫次第でそれなりの運動になります。起きている間の身体活動を充実させましょう。そのためのいくつかのコツを以下に紹介していきます。
◆芯からほぐす さっそく「体をテキパキ動かそう!」と勢いよく始めたいところですが、そうはいっても、ちょっと動けばあちこちが痛み、ギシギシいうようではいきなり活動量を増やすのも困難かもしれません。まずは快適に、スムーズに動ける体へとコンディショニングをしてあげるべきです。 特にほぐして動きをよくしておきたいのは手足の土台部分であり、体の幹に位置する体幹(胴体部分)です。 体幹の骨格は24個の背骨とその下の骨盤からなり、その多くの関節の複合的な動きによって、本来は前後左右に大きな稼働性を持ちます。 しかし、デスクワークなどで猫背になり、背中の曲がった姿勢で固まっていたりと、普段からしっかり動かせていない場合、動きが悪く、硬くなってしまいます。背骨の関節周りの靭帯が硬く変性し、関節周辺の筋肉も凝り固まってしまうのです。 また、手足の根元に位置する肩甲骨・股関節もしっかり動かしてほぐしたいところ。 手足の土台の体幹、手足の根元の肩甲骨・股関節を合わせて、体の芯という意味でコア(core)と呼んだりします。 コアをなすこれらの部位をよく動かしてほぐす「体幹コア体操」で、体の芯、幹からしなやかに動ける体を目指しましょう。もちろん日常の生活活動だけでなく、スポーツを行ううえでもしなやかなコアの状態にしておくことは大切です。