どうなる箱根駅伝 3冠を狙う國學院、箱根に強い青学、調子を上げる駒澤...優勝の条件とは
出雲のアンカー勝負で篠原が敗れたあとは、チームを重苦しい雰囲気が包んでいたが、全日本では2区終了時点の16位からまくり、最終8区で山川が青山学院大を抜いて2位まで巻き返したことに藤田監督は「非常に大きい。箱根につながった」と自信の表情を見せた。全日本のラストの山川の追い上げに希望を感じたチームは「箱根でやり返す」という機運が非常に高まっているので、箱根のエントリーが決まれば、より一体感を増していくだろう。 青山学院大は「箱根は落とせない」と原晋監督が語るように目の色を変えて臨んでくる。"箱根優勝"がチームの共通言語になっているので、必然的にチームはその目標に向かってひとつになっていく。青山学院大は一体感を生み出すのではなく、自然と沸いてくるところに強さを感じる。 創価大は全日本4位という結果に榎木和貴監督は「勝つんだという意識が足りない」と選手に苦言を呈し、吉田響もそのことについて言及した。試合後、ピリッとした空気が漂っていたが、それが中間層の選手にどこまで響き、結果に結びつけられるか。中間層がこれからハーフのレースなどで上位や自己ベストを更新する走りを見せ、チームに勝利のムードを醸成していければ、ダークホースではなく、優勝候補の一角に食い込んでいけるだろう。 これら上位5校に城西大、中央大、帝京大がどこまで絡んでくるか。 第101回の箱根駅伝は、10区まで終始、腰が浮くような展開になりそうだ。
佐藤俊●取材・文 text by Sato Shun