「3度目の正直」なるか 台東区が世界遺産登録を目指す国立西洋美術館
昨年夏にイコモスが再び現地調査
ル・コルビュジエの業績や作品の素晴らしさをPR活動が実り、2015年8月にイコモスによる現地調査が再度行われたのです。 しかし、世界遺産と聞くと“歴史がある古いもの”というイメージがあります。国立西洋美術館は1959(昭和34)年に完成した建物で、ル・コルビュジエが没したのは1965年です。世界遺産にしては、歴史が浅いようにも感じますが、懸念はないのでしょうか? 「確かに、世界遺産は古いものというイメージはありますが、必ずしも古くなければならないという決まりはありません。完成から50年でも、国立西洋美術館に世界遺産としての価値があると思います」(同) 浅草・雷門や上野公園・動物園、アメ横などがある台東区は、外国人観光客が多い地域です。それだけに、7か国にまたがる「ル・コルビュジエの建築作品」が世界遺産に認定されれば、台東区の世界的認知度が高まるとともに魅力アップにもつながります。また、構成する各国との友好が深まることになるでしょう。 世界遺産が決まるのは7月。果たして、国立西洋美術館は3度目のチャンスをつかむことができるでしょうか? (小川裕夫=フリーランスライター)