米モルガンS、IPO間近の企業従業員を富裕層事業顧客に
Tatiana Bautzer [ニューヨーク 19日 ロイター] - 米金融大手モルガン・スタンレーは、新規株式公開(IPO)の活発化を予想し、近くIPOを実施しそうなスタートアップ企業の従業員を富裕層向け資産運用事業の顧客として獲得する準備を進めている。 モルガンは先週、スタートアップ企業向けの株主管理サービスを手がける企業カータ(Carta)と提携した。カータは顧客のスタートアップ企業4万社のうち約2000社が今後IPOを実施すると推計している。 モルガンの富裕層向け資産運用部門、モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントは、こうした企業の創業者や従業員向けに退職後の資産運用や投資アドバイスなどを提供する。 モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントを率いるジェド・フィン氏は電話インタビューで、企業関連の顧客は通常、富裕層向け事業の平均的顧客よりも若く、資産の約70%を勤務している企業の株式で保有していると説明した。 モルガンの富裕層向け事業の顧客数は約1900万人で、昨年の新規顧客130万人の大半は、企業関連の契約で獲得したものだった。 バンカーは、枯渇していたIPOが今年第3・四半期に復活することを、慎重ながらも楽観視している。またトランプ次期米大統領が規制緩和を進め、資本市場が活発化することにも期待を寄せている。