【箱根グルメ】湯上がりのやわ肌のような食感。老舗『ちもと』の銘菓「湯もち」の魅力とは
●箱根を代表する土産として70年以上愛される銘菓『ちもと』の「湯もち」。愛され続ける理由を探った。
駅前のメインストリートを塔之澤方面に数分歩くと見えてくる、白い洋館に瓦屋根、立派な暖簾がかかる建物、そこが箱根を代表する銘菓を提供する『ちもと 駅前通り店』です。 【箱根グルメ】湯上がりのやわ肌のような食感の関連画像
ルーツとなる総本店は、大正期の道灌山(荒川区西日暮里界隈)で創業し、後に銀座に移転。そこからのれん分けし、昭和25(1950)年に箱根で開業したのがこちらの『ちもと』です。
国産もち米を使用した白玉粉を蒸して練り上げたやわらかいお餅の中に、早川の岩石になぞらえた自家製羊羹を切り入れ、柚子の香りでミカンの里を匂わせた箱根を代表する銘菓が「湯もち」です。その味わいの秘訣を探ってみましょう。
「湯もち」の真っ白ですべすべした手ざわりは、まるで湯上がりのやわ肌のよう。ふわっととろける食感は、白玉粉に寒天と卵白を泡立てたメレンゲを混ぜて練り上げているから。 人工的な素材は極力使わず、冷凍保存などの作り置きもせず、常に作りたてを提供するのも『ちもと』のこだわりです。
「作り置きをしないので、朝4時、5時から職人さんたちのお菓子作りが始まります」と教えてくれたのは、入社2年目のスタッフ勝俣晴香さん。毎日300~500人、箱根駅伝などの繁忙期には1日1000人ものお客さんが訪れることもあるそうです。
店舗脇には和菓子とお茶を楽しめるカフェ『茶のちもと』を併設。さらに屋外には、木の温もりあふれる『お庭の茶店』も設けられ、子連れファミリーや愛犬連れでも気兼ねなくくつろぎながら「湯もち」やお茶を楽しめますよ。
箱根ならではの老舗の風情、伝統の味を求めるなら、ぜひ訪れてほしい名店です。
●SHOP INFO ちもと 住:神奈川足柄下郡箱根町湯本690 TEL:0460-85-5632 営:9:00~17:00 休:元日、年5日程度
取材・文◎池田実香、撮影◎草地麻巳