元阪神・鳥谷敬のロッテ電撃入団決定的!
元阪神の鳥谷敬(38)のロッテへの電撃入団が9日までに決定的となった。複数の関係者が明らかにしたもので、今日10日にも正式発表される。昨年8月末に阪神から引退勧告を受けた鳥谷は、現役続行を希望。「12球団どこでもOK」の姿勢で移籍先を探していたが、世代交代を進める球界の流れがアダとなり、ここまで、どことも話がまとまらなかった。当初、ロッテも鳥谷獲得には慎重な姿勢だったが、キャンプ、オープン戦と通じて、FAで抜けた鈴木大地(楽天)の穴を埋める内野の整備が進まなかったため、急転、開幕直前に補強に動いた。両者は、先月、沖縄で極秘交渉、このほど合意に達した。鳥谷は、オフに大型補強を行い、真剣に優勝を狙う千葉ロッテを新天地として17年目のシーズンを迎える。
沖縄で極秘交渉
歴代2位の1939試合連続出場記録に、通算2085安打を誇る阪神の”レジェンド”鳥谷の新天地が電撃決定した。鳥谷は、先月末に沖縄で、ロッテ関係者と極秘会談。もう一花咲かせたい鳥谷の情熱と、本気で優勝を狙うロッテの思惑が一致した。 鳥谷は昨年8月29日に球場内で揚塩球団社長から引退勧告を受け、事実上の戦力外を通告された。懇切丁寧に経緯説明がされたようだが、鳥谷はユニホームを脱ぐことを拒否、他球団での現役続行を希望していた。10月13日に東京ドームで行われたクライマックスシリーズ・ファイナルステージの巨人戦が、阪神での最後のプレーとなったが、試合後、「この先どうなるかわからないが、自分がやってきたことを信じて新しい野球人生を頑張ります」と、他球団に移籍して現役続行する決意を明らかにしていた。 昨季は74試合、打率.207、わずか4打点とキャリア最低の不本意な数字しか残せなかった。2017年にゴールデングラブ賞を獲得した三塁のポジションは大山悠輔で固定され、自らが望んで競争に参加した開幕ショートのスタメンは、新人の木浪聖也に譲り、終わってみれば、スタメン出場は、わずか8試合にとどまった。だが、鳥谷は、本来、代打などワンポイント起用で結果を残せるタイプのプレーヤーではない。4打席立って四球で打線をつなぎ、9イニングを守り、攻守のトータルプレーヤーとしてチームに貢献していくのがプレースタイル。しかも、シーズンを通じて好不調の差が小さく安定した結果を残すのも持ち味である。 鳥谷は、周囲の関係者に「せめて20試合スタメンで勝負させて欲しかった」と漏らしていたそうだが、チームナンバーワンの練習量を誇り、まだ体力も気力も限界を感じていない鳥谷にすれば、不完全燃焼のままユニホームを脱ぐことに納得はいかなかった。 鳥谷は、原則として、セ、パ、どの球団でも話があれば、年俸などの条件にもこだわらずオファーされる金額で移籍する考えだったというが、当初、代理人を間に立てていたため、複数の球団が手を挙げたにもかかわらず、意思疎通がうまくいかずに話がこじれた。世代交代、生え抜き育成の流れに傾いている球界の空気も逆風になった。 実際、ロッテも、鈴木大地がFAで抜けて、内野の層を厚くするユーティリティプレーヤーが補強ポイントではあったが、若手育成を理由に、当初は、獲得に動かなかった。 しかし、キャンプ、オープン戦を通じてロッテのチーム事情に変化が生まれた。ロッテの内野構想は、一塁・井上晴哉、二塁・中村奨吾、ショート・藤岡裕大、三塁・レアードで固まっているが、内野のバックアップ候補である平沢大河、三木亮が、故障や手術明けでキャンプは2軍スタートとなって出遅れ、三塁、一塁での台頭が期待されている3年目の安田尚憲が、まだオープン戦で結果が出せず、ドラフト5位の福田光輝、楽天を戦力外になった西巻賢二らの新戦力もまだ未知数で、鈴木大地の穴を埋める内野の整備が計算通りに進んでいなかった。FAでソフトバンクから福田秀平が加わり、外野は厚みが増したが、内野は1枚、2枚足りない。ここまでオープン戦5試合でチーム打率.226は、11位(ワーストは中日)。それらのチーム事情を鑑みて、オープン戦も、終盤にさしかかる段階で、申し分のない実績を持ち、金銭的なリスクもなく補強できる鳥谷にフォーカスした模様だ。