子どもを賢く育てるなら「5歳までは夜8時就寝」がマストな理由
5歳までは、11時間以上の睡眠が必要
そもそも子供は、大人よりも多くの睡眠を必要とします。読者の皆さんの想像以上に、多くの時間が必要です。 次の図は、小児科医が利用する教科書『ネルソン小児科学』に掲載されている、年齢別の必要睡眠時間です。 中~高校生でも8時間以上は必要で、小学校高学年でも10時間近く必要であることがわかりますね。 では、乳幼児期はどうでしょう。おどろくべきことに、生まれたばかりの子供は16時間以上、1~3歳ごろは12時間が昼寝を含めて必要です。5歳ごろになると昼寝がなくなるので、11時間の夜間連続睡眠が求められているのです。 実際にこれだけの睡眠が取れている子供は、日本では非常に少数です。 そもそも日本人は、諸外国に比べると睡眠不足気味です。厚生労働省の調査によると、日本人の成人の1日平均睡眠時間は6~7時間がもっとも多く、次に多いのが5~6時間です。それに比べ、欧米人の平均睡眠時間は約8時間と、大きな開きがあります。なので、この教科書通りは無理としても、せめて教科書マイナス1時間の睡眠時間は確保しましょう。 5歳なら夜8時に寝て朝6時に起きる、これで10時間です。小学生なら夜9時に寝て朝6時に起きる、そして中高生なら夜10時に寝て朝6時に起きる。このようにつくっていけば「からだの脳」は万全に育ちます。これが、私が乳幼児期は「夜は8時に寝かせることだけを目標にしよう!」という根拠です。
早く寝かせるためには、早く起こす
「夜8時に寝かせるなんて無理です。うちの子は寝つきが悪くて」 こんなことをいう親御さんがよくいらっしゃいますが、それは十中八九、「そもそも起きるのが遅い」ことが原因です。 朝が遅ければ、夜遅くまで眠くならないのは当然で、そこを無理に寝かしつけようとしても効果はありません。 早く寝かせるには、「早く起こす」ことから始めるのが正しい方法です。「朝6時台」を目標に、今の起床時間を徐々に早めていきましょう。 しかし遅く起きるクセがついた子ほど、なかなか起きてくれないと思います。 そんなときは、本人の「好きなこと」で興味を引き、楽しい気持ちを起こさせるのがコツです。 たとえば、お気に入りのおもちゃを見せる、録画しておいた好きな番組の音を流す、などなど。 でも、こうして早く起床できても、日中に寝てしまうと努力も水の泡です。 昼寝は1時間程度に抑え、夕方もうっかり寝かせてしまわないように頑張りましょう。そうすれば、自然に夜7時頃から眠くなってきます。7時を過ぎたら、「夜の睡眠」になりますので、そのままで朝まで寝かせましょう。 幼児期ならば、これを一週間続けるだけで、リズムがかなり整います。