【12球団開幕投手物語】ヤクルト・名投手たちを上回る小さな左腕
長いプロ野球の歴史で、開幕投手の栄誉に浴した男たち。その一人ひとりに多くのドラマがある。ここでは12球団別に過去の開幕投手を振り返りながら、物語に紡ぎ上げていく。 ※記録は2リーグ制以降 2リーグ制となった1950年に新規参入した前身の国鉄。草創期は弱小であり、エース左腕・金田正一のワンマンチームだった。金田は52年を皮切りにして計10度、開幕投手を務めた。そのうち、3年連続が3度。しかしなかなか勝ち星に恵まれず、開幕戦初勝利は58年の巨人戦(後楽園)。実に“5度目の正直”だった。先発10度、敗戦(先発)6度はいまでも球団トップの数字のままだ。 70年代のエースは松岡弘で、71年から7年連続で開幕投手を務めた。通算3勝4敗1分と負け越しながら、4完投が光る。78年にはその座を安田猛に譲るも、16勝を挙げて球団初のリーグ優勝、日本一に貢献した。 90年の開幕戦では両者の明暗を分けるドラマがあった。4月7日の巨人戦(東京ドーム)に先発したのは21歳の若き右腕、内藤尚行・・・
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週刊ベースボール