国民民主・玉木代表の大蔵省同期がキーマン?「令和臨調」人脈が水面下で蠢く石破政権「部分連合」の行方
もう一人のキーマン
先ず指摘すべきは、党内で「石破降ろし」は一時撃ち方止めとなった。しかし、来年1月召集の第215回通常国会は26年度政府予算案を巡り与野党攻防が激しいものとなり、大荒れ国会が不可避である。同予算成立と引き換えに石破首相の首を差し出すことになる、と党内で早くも陰口をたたかれているほどだ。 何とか少数与党政権を回避するべく石破政権は今、傾注しているのが多数派工作、すなわち国民民主党と政策ごとに連携する「部分連合」を受け容れるようアプローチしている。 永田町では自民、国民民主両党の「2人の古川の関係」がよく知られている。自民の古川禎久(衆院当選8回・旧建設省)、国民の古川元久(10回・旧大蔵省)の両氏は共に1965年生まれの59歳。この2人が水面下で接触している。 もう一人のキーマンは国民の玉木代表(6回・55歳)と同じ93年旧大蔵省入省同期の木原誠二選対委員長代行(6回・旧大蔵省・54歳)だ。 筆者が注目するのは日本生産性本部(会長・茂木友三郎キッコーマン名誉会長)が発足させた「令和臨調」(共同代表・佐々木毅元東大総長ら)主導で、23年4月に発足した「日本社会と民主主義の持続可能性を考える超党派会議」である。 年初1月に自民、立憲民主、維新の会、国民各党代表世話人会を開いて、テーマ別4部会の編成・運営方針、共同座長などメンバー人選を承認した。 自民メンバー45人の人選を担った木原氏が自民党世話人・幹事であり、古川元久氏は国民の代表世話人である。もちろん、古川禎久氏もメンバーだ。石破政権と国民民主のパーシャル連合の成否は、この「令和臨調」人脈にかかっている。
歳川 隆雄(ジャーナリスト・「インサイドライン」編集長)