虎のソナタ 阪神、オリともに勝てていない〝魔の火曜日〟 交流戦対戦成績ほぼ互角…抜け出すのはどっちだ
カァー、カァー、カァー。 電話の受話器の向こうからカラスの鳴き声が聞こえてくる。発信源は鳴尾浜。ビヤ樽ことトラ番の三木建次が興奮気味に〝人生初体験〟を伝えてきた。 【写真】三塁起用は継続…軽快にゴロをさばく阪神・佐藤輝 「ベンチの横でパンを食べていたら、カラスに狙われたんや! 大事なパンを奪われそうになったんや! 鳴尾浜にはカラスが多いけど、こんなこと初めてやわ」 若手選手の取材のため鳴尾浜を訪れていたビヤ樽。行きのコンビニで購入した大好物のメロンパンを取材の合間に食べていたところ、後ろからカラスの来襲に遭った。 「必死にふりほどいたからパンはなんとか無事やった。羽根が顔に当たったくらいで、けがはなかったからよかったわ」 抵抗され、強奪に失敗したカラスは、ビヤ樽の1メートル前に着地。目が合った両者はそのままお互い〝メンチ〟を切った。そして数秒後、ビヤ樽の威圧に屈したカラスはどこかに飛んでいった。 鳴尾浜だけでなく、カラスは甲子園球場にも多く棲みついている。これまで弁当を奪われた記者もいる。ビヤ樽は「コロナ禍でプロ野球が無観客開催やったときは、カラスがいなくなってたんやけど、また増えてきているわ」と説明。ファンのみなさん、ファウルボールもですが、カラスにはくれぐれもお気をつけください。 さて、今週の阪神タイガースはその甲子園を離れ、オリックス、ソフトバンクとのビジター戦に臨む。11日からは関西ダービー。阪神は西武に3連勝して息を吹き返したが、オリックスも5連勝中と勢いに乗っている。現在パ・リーグ5位に沈んでいるが侮れない。なにしろ昨年の日本シリーズでは最終第7戦まで頂点を争った相手。阪神はオリックスに2005年から始まった交流戦で32勝33敗3分けと1つ負け越していて、日本シリーズを含めた公式戦での対戦成績は36勝36敗3分けと全くの互角だ。 「やっぱり、キーマンは森下やろな。大山が不在で、1軍に戻ってきた佐藤輝の調子もまだまだ。近本も慣れない4番で苦しんでいる。オリックスはこの3連戦で曽谷と田嶋の左投手が先発してくるやろ。そうなると、森下に期待したくなるわな」 カラスを撃退して満足そうなビヤ樽が展望を語った。一方、トラ番・須藤佳裕は「僕は前川に注目しています」という。「2番がここまでハマるとは思っていなかったですが、左投手相手でも結果が出せるかどうかですね。次のソフトバンク戦もモイネロや和田さんといったサウスポーが先発してくると予想されるので、左対左が続く今週は試金石になると思いますよ」と分析した。
いずれにしても、11日の関西ダービー初戦をどちらが取ってさらに勢いに乗るか。この日の甲子園での投手指名練習を取材した須藤によると、11日に先発する村上は「火曜日に勝てていないので」と何度も口にしていたという。たしかに、阪神は4月30日を最後に勝利がない。でも、実はオリックスも4月23日に勝ってから火曜日は5連敗中なのだ。〝魔の火曜日〟を抜け出すのは阪神かオリックスか-。熱い関西ダービーに期待しましょう。