ドイツで活躍中の21歳小兵ドリブラー伊藤達哉が森保J秘密兵器の一人
その森保監督がA代表の指揮官を兼任することが決定。初陣となる7日のチリ代表戦(札幌ドーム)、同11日のコスタリカ代表戦(パナソニックスタジアム吹田)へ臨む代表メンバー23人に抜擢された一報を、伊藤は努めて冷静に、決して驚くことなく受け止めたという。 「もしもサプライズ枠という形がひとつ取られるのであれば、ワールドカップ(・ロシア大会)に間に合うんじゃないかと、自分のなかでは思っていたところがあったので。実際には選ばれなくて、新しい代表が東京オリンピックや次のワールドカップへ向かうなかで、客観的に見て選ばれる可能性はあるかなと。選ばれたときは『やっと来た』という思いと、このチャンスでいかに自分のプレーを通してアピールできるか、ということをすぐに考えました」 自分のプレーとは体の小ささを逆に生かし、左サイドを主戦場としてスピードとアジリティーで大男たちを翻弄してきたドリブルとなる。新生日本代表にはMF中島翔哉(ポルティモネンセSC)やMF堂安律(FCフローニンゲン)、MF伊東純也(柏レイソル)らのドリブラーも招集されている。 ただ、ゴールを量産したことで実力を認めさせ、昨シーズンの終盤に完全移籍を勝ち取った中島や堂安とは対照的に、伊藤は無得点のままプロ1年目を終えた。それでもハンブルガーSVとの契約延長を勝ち取った事実が、伊藤のなかに芽生えた自負心をさらに膨らませている。 「僕のドリブルは1対1で抜き切る形で、そこからクロスなどでチャンスメークをする。サイドは逆ですけど、どちらかと言えば伊東純也さんのほうが近いタイプというか。中島さんたちはゴールに直結するタイプのドリブラーだと思っているので、僕はまた違ったよさを出していければと思っています」 初日の練習を終えた森保監督は、U-21日本代表が準優勝したアジア競技大会で採用した[3‐4‐2‐1]システムを、A代表でもベースにすると明言した。一度シャドーを経験している伊藤は、左ウイングバックのほうが「どちらかと言えばわかりやすい」と、すでに具体的なイメージも描いている。 「守って、1対1で仕掛けて、突破してクロスを上げる。シャドーだともっと細かい動きがいろいろあって、守備の仕方もちょっと複雑になってくるので」