八村塁はいつ復帰できるのか…そしてNBA”若手球宴”出場の可能性は?
NBAワシントン・ウィザーズの八村塁(21)が、昨年12月16日のピストンズ戦で鼠径部を負傷してから戦列を離れている。簡単な手術も行った負傷直後はホームゲームにさえ足を運べない状態だったが、1月3日のホームゲームで初めて会場に姿を現し、15日からチームの遠征に帯同。徐々に始めた練習も19日にメディアへ公開された時には、ドライビングレイアップやステップバック・ジャンパー、そしてスリーポイントなど、軽めではあるがジャンプやフットワークも加わるようになっており、復帰に向けて順調に回復していることが見て取れた。 そして22日、遠征先のマイアミで夜の試合に備えた午前の練習後、スコット・ブルックスヘッドコーチ(以降HC)が「すべての動作をしてもいいことになった。とてもいいニュース」と公表。 試合当日だったため実戦形式などはなかったが、その日の練習からさっそくフルに参加したことを明かした。 19日に練習がメディアに公開された時は、チームメイトの練習中に八村はウェイトトレなどを行い、その後は練習場の隅に座っていた。チーム練習が終わると空いたコートを使ってアシスタントコーチのデビッド・アドキンスとシューティングを始めた。 しかし、22日はチームメイトとコートをともにし、スリーポイントを外したらボールを次の選手に渡さなければならないと設定された練習で、「お前、今外しただろう?」「外してないよ!」などと言葉を交わしながら楽しそうにしていた。 戦列を離れてから6週目。 負傷直後は本人も、「そこまで別にひどくないと思った」程度だったのが、腫れと痛みに苦しみ、これまでに経験がない長い戦線離脱を強いられていた。それだけに、自らは欠場であってもチームメイトから感じられる試合当日の緊張感、一人で練習する時とは違う汗、時には冗談で憎まれ口を叩き合いながら笑う仲間との練習は八村にとって久しぶりの感覚だったはずで、思わず表情が緩むのも無理はなかった。 ただ、今すぐに復帰というわけにはいかない。 なんといってもNBAはバスケットボールの世界最高峰。身長2メートルを超えるような選手達が、並々ならぬ運動能力とパワーを持って戦うリーグだ。想像を絶する速さでコートを駆け、パスを回す。優れたスキルで相手を交わし、瞬時に方向転換したり、果敢に中に攻め込んだり、外から攻めたりする。攻撃ではそれらを行い、守備ではそれらの動きに反応できる運動能力が必要であり、鍛え抜かれた筋力による体のぶつかり合いに耐えられるだけの力がなくてはならない。