路上で人を褒める「褒めますおじさん」が話題に。借金は最大600万円、家ナシでも「毎日楽しく過ごせている」
ノリで来る人もいれば、会社をクビになった当日に来た人も
よほどのことがない限り、日常生活で褒められる機会は少ない。当然褒められたい欲求を満たしたい気持ちは十分に理解できる。依頼者たちには、どういった背景があるのか。 「わりと軽い気持ちでというか興味本位やノリで来られる方が多いですよ。22時過ぎくらいになると、お酒を飲んだ帰りの方も多いですね。男女比でいうと半々くらいなんですが、真剣に褒めて欲しいと来られるのは女性が多い印象です。失恋したばかりだったり、自分の頑張りが成果につながらなかったりしたり」 年齢層は幅広い。子供連れが赤子を褒めて欲しいと訪れたりする一方で、最高齢は82歳の女性。ときには、人生相談に発展するような場合もある。 「『今日、会社をクビになりました』という方がいました。普段はまず直感的に褒めはじめますが、さすがにこのときはよく話を聞いて、その都度、頑張ってこられた部分を褒めさせてもらいました。気がついたら数十分になることもあり、涙を流して帰られる方もいます」 コロナでの行動制限がなくなって以降、変化を感じられるようになったという。 「街に外国の方が増えましたよね。『すごくほめます』という段ボールにスマホを向け、翻訳アプリで意味を知る……という人もいます。英語はほとんどできませんが、外国の方に褒めてほしいと言われたことも。知っている単語を駆使して褒めたら喜んでくれました(笑)」
1日の収入は「平均1万円」。最高額は…
毎日のように路上に立ち、褒めのブラッシュアップを重ねる褒めますおじさん。褒め活動での収入はどのくらいあるのか気になるところ。 「日によってまちまちですが、平均すると1日1万円くらいだと思います。つい先日、最高額が出て4万3千円でした。最後に来られたのが会社を経営されている方で『近くで従業員と飲んでいて、いつもお世話になっているから一人一人を褒めて欲しい』と言われて、お店まで行って皆さんを褒めさせてもらい、3万円いただきました」 こうなると、一人で生活するには事足りる収入になりそうだが、褒めますおじさんはどのような生活をしているのだろうか。 「家がないので、いただいた投げ銭でネットカフェやビジネスホテルに泊まって生活しています。この活動を始める前までは実家に住んでいたんですが、ローンが払えなくなってしまって家がなくなりました」