滑走路先の「コンクリート構造物」は業者の設計ミス…韓国空港公社がそのまま認可【独自】 務安空港事故
務安国際空港で昨年初めまで続いた「コンクリート構造物」強化工事は、設計業者が誤って設計したものを韓国空港公社がそのまま受け入れていたことが2日に確認された。務安空港を運営する韓国空港公社は2020年にローカライザー(着陸誘導装置)改良事業に着手した際、壊れやすくする方法で行うよう指針を下しながらも、コンクリート構造物をさらに強化する設計を受け入れたということだ。こうして強化された構造物が今回の事故に決定的な影響を及ぼした。 【写真】広島空港のローカライザーと衝突するも死者ゼロ 再び注目を集める2015年アシアナ機着陸失敗事故
本紙の取材を総合すると、韓国空港公社は2020年からローカライザー改良工事に着手し、昨年初めまで工事を行った。2007年の同空港開港後に設置されたローカライザーが古くなったため、改良工事を実施したものだ。 問題は、この過程で既存のコンクリート構造物に「コンクリートの天板」まで加わり、コンクリート構造物がさらに硬くなったということだ。昨年初めまでの工事によって、長さ40メートル、幅4.4メートル、高さ0.3メートルという巨大なコンクリートの天板が構造物に新たに追加された。 このコンクリートの天板を作れと指示したのが誰なのかを巡り、韓国空港公社、設計士、施工会社などは異なる見解を示している。設計士は「設計したのはローカライザーだけだ。コンクリートの天板は設計していない」と、韓国航空公社は「壊れやすく設計するよう指針を下した」と言っている。 しかし、2020年に作られた設計業者の図面には、コンクリートの天板があるとのことだ。この工事監理をした業者は「設計図面にコンクリートの天板があった。施工会社はこれに従って工事を行い、コンクリートの天板を加えたものだ」と話した。韓国航空公社側も設計図面にコンクリートの天板があったことを認めた。 これはつまり、韓国空港公社が設計用役時と採択時に異なる基準を適用したという意味になる。韓国空港公社は2020年の設計用役に「Frangibility(壊れやすさ)確保方策の検討」という文言を入れたが、逆にコンクリートを強化する設計を選んだためだ。これに対して、韓国航空公社は「壊れやすいという表現はコンクリートの天板ではなく、盛り土の上の構造物に対するものだった」と釈明した。航空・鉄道事故調査委員会は工事の設計指示と採択過程に法律違反がないかどうかを調査している。 キム・アサ記者