ドイツの輸出・鉱工業生産、9月は予想以上に減少 工業の不振鮮明
Maria Martinez [ベルリン 7日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が7日発表した9月の輸出と鉱工業生産はともに予想以上に減少した。 9月の輸出は前月比1.7%減。ロイターがまとめた市場予想は1.4%減だった。 貿易収支は170億ユーロ(183億ドル)の黒字。黒字幅は8月の214億ユーロから縮小した。 9月の輸出の大半は米国向け。対米輸出は前月比4.8%増だった。対中輸出は3.7%減。欧州連合(EU)諸国への輸出は1.8%減少した。 対米輸出はドイツの国内総生産(GDP)の約3.8%を占めている。 キャピタル・エコノミクスの欧州担当シニアエコノミスト、フランツィスカ・パルマス氏は、輸入業者が関税が課される前に駆け込みで製品の購入を増やすことで、ドイツの輸出は増加する可能性があると指摘。しかし実際に関税が導入されれば輸出は減少するだろうと述べた。 一方、9月の鉱工業生産指数は前月比2.5%低下。ロイターがまとめた市場予想は1.0%低下だった。 パルマス氏は、工業部門の危機が独政府が対処しなければならない多くの問題の一つであることが示されたと述べた。 コメルツ銀行のシニアエコノミスト、ラルフ・ソルフィーン氏は「工業部門は経済全体のブレーキであり続けるだろう」との見方を示した。 INGのマクロ担当グローバルヘッド、カーステン・ブルゼスキ氏は「ドイツの鉱工業データはジグザグの動きを示しており、製造業がまだ完全な底入れ局面に入っていないことを示唆している」と指摘した。 7─9月の鉱工業生産指数は前期比1.9%低下。 8月の鉱工業生産指数は速報値の2.9%上昇から2.6%上昇に下方改定された。