運よく大手に就職できましたが、中小企業に就職した友人から「収入が安定してそうでうらやましい」と言われました。そんなに違いがあるのでしょうか?
就職は人生のターニングポイントになりやすく、一般的に中小よりも大手企業のほうが生涯収入は高くなる傾向があります。 そのため、大手企業に就職できた場合、周囲がからうらやましがられることも少なくないでしょう。中小と大手企業では、実際にどのくらいの収入差が生じるものなのでしょうか。 本記事では、就職先の規模や学歴による収入の違いについて解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
一般的な生涯賃金は大卒男性で約2.5億円
独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2023」によると、フルタイムの正社員が定年(60歳)まで働いた場合の生涯年収(退職金は含めない)は、図表1の通りになります。
独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2023」より筆者作成 最も生涯年収が高いのは大卒男性の2億4740万円、高卒男性と大卒女性は約2億円で生涯年収が同じくらいになります。学歴という点では、高卒と大卒では男女ともに5000万円程度の差があり、より高い生涯年収を求めるなら、高卒よりもやはり大卒のほうが有利といえるでしょう。 また、同じ学歴であっても、男女間で5000万円程度の差が生じる原因として、女性が妊娠・出産などによって勤続年数が少なくなることや、高収入な女性管理職の数が少ないことが影響していると考えられます。
学歴別の賃金
次に、厚生労働省の「令和5年 賃金構造基本統計調査」より、令和5年6月分として支払われた所定内給与額の平均を学歴別に紹介します。
厚生労働省「令和5年 賃金構造基本統計調査」より筆者作成 高校卒の賃金は高専・短大卒と比べて男女とも5万円ほどの差ですが、大学卒とは7~9万円、大学院卒とは17~19万円と差が拡大します。 また、新卒の賃金の場合でも、高校が18万6800円、専門学校が21万4500円、高専・短大が21万4600円、大学が23万7300円、大学院が27万6000円となっており、入社をした時点で、高校卒と大学院卒では10万円程度の差があることが分かります。