ひろゆき、中野信子と脳を科学する⑦ やっぱり顔がいい方が得なのか!?【この件について】
ひろ なんとなくですけど、表情を作る能力って男性のほうが高い気がするんですよ。男性はその場では表情に出さないけれど、後から「実はアイツのことが大嫌いなんだ」と打ち明けられてビックリしたことがあります。一方で、女性は嫌なことがあると瞬時に顔に出てしまうことが多い気がする。 中野 それは育ってきた環境が影響しているかもしれません。女性は、感情を表に出したり表情が豊かなほうが「子供らしい」とか「女性らしい」と評価されやすいんです。逆に無表情だと「無愛想だね」と言われてしまう。一方、男性の場合は同じ無表情でも「あの子は動じない子だね」と評価されることが多い。同じ特徴でも男女で評価が変わるんです。 ひろ 女性で表情に変化がないと、冷たく見られて人気が出ないことがありますよね。「美人なのに、なんで人気がないんだろう?」と思うことがあります。 中野 やはり、愛嬌がある人のほうが、容姿が整っているだけの人よりも好かれる傾向があるのかもしれません。 ひろ 東出さんレベルまでいかなくても、後天的に表情や感情の出し方を変えることはできるんですか? 中野 完全に変えるのは難しいかもしれません。でも、挑戦する価値は十分あると思います。実は私もかなり試行錯誤して表情の出し方を学んだんです(笑)。 ひろ どうやったんですか? 中野 大学時代にいろんな人の表情や笑い方、話し方をそのまままねするところから始めました。それで「誰々ちゃんの話し方に似てるね」と言われるくらいやったので、学生時代は少し気持ち悪がられたかもしれません(笑)。 ひろ 話し方をまねするんだ。 中野 言葉遣いや話し方のリズムまで全部コピーしました。ただ、完全コピーだと不自然なので、3人くらいの話し方を混ぜるといったやり方です。 ひろ それって、やっぱり人気のある人の話し方をまねしたほうが、周りからの好感度が上がるんですか? 中野 そうですね。ただ私は理系の大学にいたので、周囲は男性が多かった。それで結果として男性の話し方をまねすることになり、バイセクシュアルの女性の友達から告白される事態にもなりました。 ひろ そうなっちゃうんだ。 中野 私の意図とはちょっと違う効果が出ちゃいました。 ひろ でも、そうやってインストールがうまくできる人だとしっかり効果が出るものなんですね。 中野 私の場合は、ある程度成功したといえるかもしれません。 ひろ じゃあ、いい人をインストールしてみるのもありですね。んで、そのスキルが身につけば、いわゆる美人やイケメンではなくても得をする可能性は上がると。 中野 そうですね。 *** ■西村博之(Hiroyuki NISHIMURA) 元『2ちゃんねる』管理人。近著に『生か、死か、お金か』(共著、集英社インターナショナル)など ■中野信子(Nobuko NAKANO) 1975年生まれ。東京都出身。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学大学院博士課程修了。フランス国立研究所ニューロスピンに勤務後、帰国。主な著書に『人は、なぜ他人を許せないのか』(アスコム)など 構成/加藤純平(ミドルマン) 撮影/村上庄吾