港区の一流企業を退職し、プロマジシャンを目指したエリート男性(32)はなぜ1年間“山籠もり”したのか
偶然見つけた「プロマジシャン募集」の看板
「マジシャン」の夢からはかけ離れた生活を1年ほど続けたCOZY氏だったが、「それでもマジックをやりたい」と思い直し、親に頭を下げて横浜の実家へ戻った。 そこで偶然見つけた『プロマジシャン募集』の看板が運命の分かれ道だった。 「運命的なものを感じて、すぐ応募しました」 応募したのはマジシャンが常に2、3人いる横浜のマジックバーで、COZY氏はプロとしてデビューできることになった。COZYという名前もこの時につけたものだ。
目標は「会社員時代の年収を超えること」プロマジシャンになった現在の年収は?
「マジックバーで初めてプロと一緒に仕事をして、お客さんを引き込む力や魅せる力を身近で学べる恵まれた環境でした。その後、紹介されて働き始めた銀座のマジックバーでは、お酒をたくさん飲んだり、カラオケで盛り上げたりなど意外と会社員時代の営業力を生かせることも多かったです」 プロマジシャンとして仕事は徐々に軌道にのり、気づけば会社員時代の年収を大きく上回る収入になっていた。 現在、COZY氏はエンタメ系の派遣業を行う会社のマジシャン事業部の代表を務めている。月間700ステージもの現場を統括する立場にもある。 「今は年間300日以上、マジックをしています。会社を辞める時に人の3倍活動しよう、誰よりも働こう、と決めていたので、昔の自分に負けたくないという気持ちで常にやっています」 マジシャンという仕事は不安定だが、COZY氏は今の生活に満足しているという。 「あのまま会社員でいたら、そこまで頑張らなくても年収も1000万を超えていたかもしれない。それでも自分は今の生き方、働き方が気に入ってるし、会社員に戻りたいと思ったことはありません。このままずっとワクワクする人生を追い求めたいですね」 安定よりも大切なものを見つけたCOZY氏の表情は明るかった。
清談社