基地への着陸に備える台湾軍の戦闘機＝１４日、台湾・新竹市

香港／台北（ＣＮＮ）　中国が台湾周辺で実施した軍事演習に対し、台湾国防部（国防省）が「理不尽な挑発」として強く非難した。中国は艦艇や戦闘機を配備し、「台湾独立勢力による分離主義的行為」に対する「厳重な警告」と位置付けていた。 【映像】中国軍、台湾「包囲」の軍事演習 中国軍の東部戦区司令部は１４日、陸、海、空軍の合同軍事演習を台湾海峡および台湾を取り囲んで実施していると発表した。 中国が台湾周辺で実施する軍事演習は、ここ数年で頻度が増している。 演習を前に東部戦区司令部は「戦闘準備」というタイトルのプロパガンダ動画をＳＮＳに投稿した。動画は戦闘機や艦艇、強襲揚陸艦が上空と海上に展開し、移動式ミサイル発射装置が配備される様子を映し出し、「常時戦闘態勢。いつでも戦闘可能」という字幕が流れていた。 台湾国防部は中国の軍事演習を強く非難する声明を発表し、軍を出動させたことを明らかにした。 台湾総統府は中国に対し、「地域の平和と安定を損なう軍事的挑発をやめ、台湾の民主主義と自由を脅かす行為を停止する」よう求める声明を発表した。 台湾の頼清徳（ライチントー）総統は国家安全保障会議を招集し、軍事演習に対する対応を協議した。 台湾国防部は１３日、中国の空母「遼寧」がフィリピンと台湾を隔てる台湾南部のバシー海峡付近の海域に入ったと伝えた。中国中央テレビによると、中国軍の東部戦区司令部は空母中隊が台湾の東部で「艦艇とジェット機の連携、合同制空、海上および陸上攻撃」の演習を行ったことを確認した。 中国外務省報道官は１４日、「台湾の独立と台湾海峡の平和は相いれない。台湾独立勢力の挑発には必然的に対抗する」と強調した。