いよいよ接種開始「レプリコンワクチン」…医師が本音で語った「期待と懸念」
新コロナワクチン「レプリコン」に期待と懸念
「重症化リスクのある人の多くがこのワクチンを接種すれば、新型コロナウイルスは、普通の風邪の原因である既存コロナウイルスと同じく、軽い疾患に変わります」 【図解】3分で終わる歯みがき完全マニュアル 浜松医療センターの医師・矢野邦夫氏が語る「このワクチン」とは、アメリカのArcturus Therapeutics社が開発し、日本のMeiji Seikaファルマ社が製造・販売するレプリコンのことだ。 10月1日から始まる定期接種で使われる、オミクロン株に対応した5製品では唯一、新たに認可されたワクチンとなる。 「レプリコンとは自己増殖という意味です。mRNAというワクチン成分が体内で自己複製するため、少量の接種で強力な免疫反応を引き起こせる。ファイザーやモデルナより効果が長持ちすると想定されています」(同前)
遺伝子に影響を及ぼすという不安から反対声明も
だが一方で、ワクチン成分が体内の遺伝子に影響を与えるのではないかという懸念などから、日本看護倫理学会が接種に反対する声明を出すなど、反発する声もある。 昭和大学名誉教授の二木芳人氏が語る。 「新しいタイプのワクチンなので、長期的な副作用の有無は、時間を置かなければわかりません。開発国のアメリカを含め、認可した国は日本のみです。安全性のデータが多少不足するなか、世界に先んじた承認に不安を感じる方もいるでしょう」 定期接種の対象は、高齢者と、60~64歳の重症化リスクが高い人だ。それ以外の人は、最大7000円の自己負担となる。接種するかどうか、慎重に見極めて選択したい。 「週刊現代」2024年10月5・12日合併号より
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