ヤンキース田中の“配慮ある言葉遣い”にダルビッシュが『あっぱれ』
田中の“配慮ある言葉遣い”に、ダルが共感した。 ことの起こりは、米国東部時間2月13日の午後1時前。既に午前中、フロリダ州タンパにあるヤンキースのマイナー施設で練習を終えていた田中将大投手が、ツイッターで、「僕は今日、今年初めてキャッチャーの方に座っていただいてピッチング練習をしました」と、つぶやいた。 この報告に即刻、反応したのが、田中が先輩と慕うレンジャーズのダルビッシュ有投手だった。7分後に「座らせて。っていわないのいいねー。皆普通に言うけど違和感半端ないよな」と、リツイート。「座っていただいて」と、捕手へのリスペクトを示した表現に、ダルビッシュが、『あっぱれ』を与えたのだ。 辞書によると、動詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形について、話し手、または動作の受け手にとって、恩恵となる行為を他者から受ける意を示す。「捕手を座らせて50球」などという巷でよく見かける表現に、ダルビッシュは、これまで「半端ない違和感」を感じていたようだ。 確かに、「捕手を座らせる」という表現に、“上から目線”の印象を受けることがあるかもしれない。まして、田中は、7年総額年俸1億5500万ドルの大型契約で入団したビッグネームだが、メジャーの中では、まだ公式に1球も投げたことのない新人であることに変わりない。 この日、田中の球を受けたのは、マイナー施設に練習に来ていた控え捕手のセルベリ。年俸でも、格という意味でも、田中の方が上なのは明らかだけれど、メジャー6年の実績があり、年齢的にも田中より2つ上の27歳。田中にとっては、“初対面”の先輩に、「座っていただいて」と、敬語を使ったのも、うなずける。 再び7分後、今度は田中がそれにリツイート。「確かに違和感ありますね」と返して、ダルビッシュの指摘に同感した。日本時代から、お互いに若くして、チームのエースとしてキャリアを積んできた2人。年配の捕手にブルペン投球を受けてもらった後、「座らせて」という表現を使われ、違和感を感じる共通の経験があったのかもしれない。如何に、メジャーを代表する高額年俸選手になろうとも、“捕手への気遣いは払われるべき”という投手哲学において、2人が共鳴したのだった。