日本選手の相次ぐ米ツアー挑戦表明に“先輩”西村優菜は「戦える」と断言 「日本ツアーの方がレベルが高い」と感じた点とは?
米女子ツアーは「キラキラした感じはやっぱりない」
この間、米国生活を1年続けた先輩として、国内の選手からいろいろと聞かれる機会も増えたという。 「食事面はどうしていますかとか聞かれますが、米国での生活は慣れもあります。ただ、米ツアーに関しては、日本ほど恵まれていないとったら変ですが、キラキラした感じはやっぱりない。メジャーだと大舞台で、すごくいい大会でプレーできたとか、ワクワク感があったりするのですが、実際にそれしか見ていないと他の試合とのギャップがすごく出てくる」 1年目は日本と米国の生活やツアー環境の違いにとまどい、苦労をしてきただけに西村の言葉に重みがある。中途半端な覚悟では生き残れない厳しい世界でもあることも西村は教えてくれた。 「日本は毎週、各メーカーのツアーバスがあって、クラブリペアができたり、ギャラリーもたくさん訪れる。初めて(米ツアーに)来たら、そこのギャップの難しさは感じてしまうかもしれない。自分もそれを経験したので……。これ(ギャップ)を埋めるためには、自分がどこで楽しみを感じられるかです。挑戦するなら20代前半、いい意味で怖さ知らずの時のほうが私はいいと思っています」 日本ツアーの恵まれた環境は、選手の技術向上に一役買っており、実際に通用する部分も多い。しかし、米ツアーに来てみると当然、壁にぶち当たることも多いということだ。 米ツアー2年目の今季、西村は未勝利ながらも年間ポイントランキング67位で、来季出場権が与えられる上位80人の枠に入り、フルシードをほぼ当確させた。 「私も(道を切り拓いた)先輩たちがいて今がある。これから多くの日本選手と切磋琢磨できるのはうれしい」 本人は「もう24歳のベテラン」と笑っていたが、言葉の端々からは“たくましさ”が感じられた。
西村 優菜(にしむら・ゆな)
2000年生まれ、大阪府出身。19年のプロテストに合格し、翌年の「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」でプロ初勝利。21年は「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」でメジャー優勝を飾るなど、年間3勝をマーク。2020-21シーズンは賞金ランキング5位と躍進。昨季は米女子ツアーに参戦し、年間ポイントランキング48位に入って今季のフルシードを獲得。スターツ所属。
キム・ミョンウ