巨人の開幕投手隠しに中日・森監督が口撃
セ・リーグの全監督が集まってトークバトルを繰り広げるファンミーティングが27日、横浜市内で行われ、恒例の開幕投手発表があったが巨人の高橋監督だけが「決まっていない」と発表を控え、中日の森監督が舌戦を仕掛けるシーンがあった。 各球団のファンがつめかけた前で公開で行われるファンミーティング。その最後に開幕カードごとに監督が並び、恒例の開幕投手発表が行われた。まずはヤクルト対横浜DeNAのカードから発表され、真中監督がベテランの石川、横浜DeNAが左腕石田を発表したが、場内を沸かせたのが、続く巨人対中日のカード。最初に中日の森監督が「大野です」と明らかにしたが、高橋監督は笑いを浮かべながら「すみません、決まっていません」と、本当に決まっていないのか、決まっているけど隠したのか、開幕投手を発表しなかったのだ。 すると、森監督が反撃した。 「ジャイアンツが決めていないならうちも変えます」 大野の開幕投手を撤回した。 そして、こう仕掛けた。 「あくまでも情報によりますが、菅野で来るかなと思っていましたが、WBCであれだけ皆さんみていたとおりあれだけのボールを投げたのであれば、もし私が監督なら、(開幕カードを)はずします。菅野にはゆっくり次のカードにいってもらいます」 開幕投手の最有力と言われていた菅野は、日本時間の22日、WBCの準決勝のアメリカ戦に先発、6回を投げ3安打1失点の素晴らしいピッチングでゲームを作った。81球だったが、その緊張度と、アメリカからの移動、時差などもあり、疲労度は想像以上で、開幕回避の情報が流れていた。 思わぬ敵将の“口撃”“陽動作戦”に思わず高橋監督も苦笑い。そして本音を漏らした。 「もともとは、昨年の秋からキャンプを通じて菅野に(開幕投手を)決めてはいました。本人も投げるつもりでいるんですけど、今、森監督が仰ったように、WBCでついこの間までだいぶ力を出して投げておりますので、本当は、きょう練習で彼の姿を見てから決めようと思っていました。しかし今日、ここに(イベントで)来て練習を見れませんでしたので、これからちょっと考えたい」 司会者の慶応野球部OBである青島氏が、「シーズンを見越すとコンディションの見極めは大事になりますね?」と、さらに突っ込むと、高橋監督は、「いけなくはないのかもしれませんし、そこはまだ決めていないのでわかんないのですが、1年間投げてもらうことも大事なことと思っていますから」と、WBCの疲労度を考え、菅野の3.31の開幕回避に考えが傾いている心情を吐露した。 今季の巨人は、オープン戦を通じて、菅野、マイコラス、内海、田口、大竹寛、吉川光の6人でローテを組む構想が固まっている。もし菅野が開幕を回避する場合は、マイコラスか内海の繰り上げとなり、菅野は次のカードである4日の横浜DeNA戦にずれこむことになりそうだが、果たして、中日・森監督の“口撃”を受けた高橋監督は、どんな決断を下すのだろうか?