【ライブレポート】THE BAWDIESとプッシュプルポットが初対バン、全員参加コラボの“HOT DOG劇場”で事件解決に挑む
THE BAWDIESとプッシュプルポットのツーマンライブ「ライブナタリー “THE BAWDIES × プッシュプルポット”」が8月20日に東京・新宿LOFTにて開催された。 【写真】プッシュプルポットの山口大貴がコナンに変身 ライブナタリーがTHE BAWDIESの結成20周年を記念して企画した本公演。初対バンとなる2組は、コラボステージを交えながら熱演を繰り広げた。 ■ プッシュプルポット 先攻のプッシュプルポットは「こんな日々を終わらせて」で勢いよくライブを開始し、みずみずしいサウンドでフロアを満たしていく。ライブ序盤からアクセル全開のパフォーマンスで観客の心をわしづかみにした山口大貴(Vo, G)は「THE BAWDIES先輩とツーマン、よろしくお願いします! なんでこのツーマン? すごい!」と声を弾ませ、昨年ROYとスペースシャワーTVの配信で共演したことを振り返る。そして「今回のライブに向けた動画撮影で『どんな休日を過ごしてるんですか?』って質問したんだけど、ROY(THE BAWDIES / Vo, B)さんが『友達いない』って言ってて。意外です。『プッシュプルポットいい子そう。だから今日仲よくなれるかも』ってROYさんが言ってたんですけど、俺たちめちゃくちゃいい子なんで、仲よくしてください!」とラブコールを送った。 「日本で一番バカ騒ぎしようぜ!」と告げた山口は、「バカやろう」の演奏が始まるとフロアに飛び込む。オーディエンスに支えられながら彼はフロアの上を進んでいき、「よく見えるね! 後ろ元気ですかー!」と楽しげに会場を見渡した。そのまま山口はフロアでシンガロングを直に浴びながら「ダイナマイトラヴソング」を熱唱。ステージに戻ると「この中にROYさんいますか?」と突然ROYを探し始め、楽屋でライブに向けて準備していたROYを呼び込んだ。わけもわからぬままステージに連れてこられ、山口にシンガロングに参加するように促されたROYは「キーが高いよ!」と大慌て。「お好きなキーで!」と言う山口の奔放っぷりに翻弄されながら、ROYは声を懸命に張り上げて後輩のリクエストに応えた。 「結成20周年、デビュー15周年おめでとうございます!」とTHE BAWDIESを祝福した山口。彼は「俺たちはまだ7年しかバンドをやってないけど、それでもだいぶやってるなと感じる。15周年、20周年っていったらとんでもないなと思う。これからもずっと音楽を続けていけたらなと思っていますし、俺たちもTHE BAWDIESみたいに、あんたらと一緒に年取っていきたいなと思います! よかったらこれからも一緒に歩いていこう!」と目を輝かせて呼びかけた。その後、岩手出身の山口は東日本大震災で被災したときの思いをつづった「13歳の夜」を歌唱。救援物資の中にあったラジオから流れてきた名前も知らないバンドの音楽に救われ、「自分にもできないか」と音楽を始めたことを話した。さらに「生きていくことは難しいけど、生き抜いた先にライブハウスがありますように!」と山口は述べ、「生きていけ」「笑って」でまっすぐなメッセージをオーディエンスに送る。最後には「愛唱歌」でピースフルな空間を生み出し、オーディエンスと心をつなぎ合ってアクトを終えた。 ■ THE BAWDIES プッシュプルポットからバトンを受け取ったTHE BAWDIESは「GIMME GIMME」でライブをスタート。熱のこもったロックンロールでオーディエンスの心をたかぶらせたあと、さらに「YOU GOTTA DANCE」「IT'S TOO LATE」といったアップテンポのナンバーを連投した。4人の盤石のプレイに身を委ねるようにオーディエンスは体を揺らし、楽しげに腕を振る。「POPCORN」では会場全員が無我夢中で飛び跳ねてクラップを鳴らす光景が広がった。 「プッシュプルポットとは初対バンだけど、このあと『モンバス(MONSTER baSH)』も一緒だし、そのあと『ラブシャ(SWEET LOVE SHOWER)』も一緒。毎週一緒だね」と今後の予定に触れたROY。「じゃあ毎回お前が呼ばれるね」とTAXMAN(G, Vo)に先ほどのステージの記憶を掘り返されると、「やめろ!」とROYははにかみつつ、「こうやって限界を超えたところで仲よくなっていくものですからね」と頷いた。「SUGAR PUFF」「KEEP YOU HAPPY」といった軽快なナンバーで心地のいい空間を生み出したあと、4人は甘酸っぱいラブソング「LEMONADE」をプレイ。ガレージパンク要素の強い「STAND!」ではROYの熱いシャウトにフロアが沸き立った。 THE BAWDIESのライブに欠かせないのは“HOT DOG劇場”。今回はプッシュプルポットのメンバー全員が参加し、「名探偵コナン」をテーマに8人で寸劇を繰り広げた。ROY演じる毛利小五郎によると、どうやらケチャップまみれの新宿LOFTで、ガリガリに痩せ細ったミイラのような死体が見つかったらしい。ROY扮する小五郎は殺人現場で「凶器はこの鈍器で間違いないでしょう」とソーセージを掲げた。死因はパンに挟まれたことによる窒息死と思われ、事件と事故の両面で捜査しているとのこと。TAXMAN演じる目暮警部が「まあこれは事故で間違いないでしょう」と結論付けようとすると、プッシュプルポットの山口扮するコナンが「いや、違うと思うよ。これは事件だと思う」ときっぱり否定し、時計型麻酔銃で小五郎を眠らせた。眠りの小五郎が「これは事故に見せかけた殺人事件だ。そして、犯人はこの中にいる。真実はいつも1つ。犯人はあんただ!」と叫んだところで、次回予告に突入。アニメの予告でおなじみとなっている「名探偵コナン」のBGMをバックに、コナンは「ケチャップまみれの新宿LOFTのガリガリに痩せ細ったミイラの死体が。手がかりとなるケチャップ、ソーセージ、そしてパン。これらが結び付くとき、一体何ができるのか。次回『名探偵コナン』、『MONSTER baSH』で召し上がれ!」と告げて、週末の「MONSTER baSH」に見事につなげてみせた。 カオティックな寸劇を経て、THE BAWDIESは「HOT DOG」をパワフルにプレイ。「T.Y.I.A.」では一体感のある「T.I.A., T.Y.I.A.」コールが響き渡った。ラストナンバー「JUST BE COOL」では躍動感のあるリズムに合わせてオーディエンスが高くジャンプ。最後までハイテンションなプレイで会場を盛り上げ、4人はステージを去って行った。 アンコールを求める拍手に呼ばれて再びステージに登場したTHE BAWDIES。ROYは「ロックンロールは感情の爆発だと俺はいつも思ってる。心の中に楽しいとか苦しいとかいろんな感情があって、それを心の中に留めておくことができなくなって、我慢しきれずボーンって飛び出たもの、それをロックンロールって言うんじゃないかと俺たちはずっと言っている。例えば今日で言うと、楽しいから手を上げてみようじゃなくて、気付いたら手が上がってた、声が出ていたとか、そういうことがあると思うんですよ。これがロックンロールだと思うんだよね。ここがプルポツ(プッシュプルポット)とTHE BAWDIESが共通する部分だと思うので、これからも皆さんとともにロックンロールを愛しながら転がり続けていけたらなと思います」と話す。そして「何か足りないな、元気が出ないなと思ったときは俺らのところに来てください! 俺らはどんなときも笑顔で転がり続けてますので。皆さんを必ず皆さんを笑顔にしてお帰ししますので」とROYが告げると、4人は「KEEP ON ROCKIN’」を晴れやかにプレイ。先ほどのお返しと言わんばかりにプッシュプルポットの山口もステージに呼んでコール&レスポンスに参加させて会場を盛り上げた。最後にはTHE BAWDIESとプッシュプルポットの8名がステージに勢ぞろい。THE BAWDIESのライブでは恒例の「わっしょい!」という元気いっぱいの挨拶でライブを締めくくった。